平成30年度 安藤さんインタビュー

都立産業技術高専 学生インタビュー:生産システム工学コース 安藤さん

生産システム工学コース
安藤さん
サッカー部 副部長
埼玉県出身

入学前に産技高専を知ったきっかけは何ですか

一年生のときは大阪に住んでいて、大阪にある高等専門学校に通っていました。ただ、親の転勤が決まって、東京に引っ越すことになってどこの学校に行こうかなと調べていたときに産技高専を知りました。高専ではなく、普通の高校に行く選択肢もあったんですが、やっぱり高専がいいかなと思って産技高専の編入学試験を受けました。
初めて産技高専の品川キャンパスに来たときは「ビルだ!さすが東京!」と思いましたね。大阪の高専は敷地がとても広くて横に大きい感じだったんですが、ここは縦に大きくて静かだし、それぞれに違った雰囲気があるなと感じたことを覚えています。

そもそも高専に行こうと思った理由は何ですか

中学校一年生の後半で進路を考えていたときに、両親が高専出身で色々教えてもらいました。そのときに「高専に行けば、卒業するタイミングで就職・進学を選べるよ」と言われて、「まあ英語苦手だし、理系に適性ありそうだし・・・」っていう軽い気持ちで行きました。

産技高専に入学したら何をしたいと思っていましたか

都立産業技術高専 学生インタビュー:生産システム工学コース 安藤さん適度に運動と勉強をしながら楽しくメリハリのある生活をしたいと思っていました。
友だちといる時間と部活をしている時間、一人でいる時間みたいにそれぞれを大事にしたいなと思っていました。
それに、大阪の高専にいたときに、軽い気持ちで進学したからなのか全然勉強に身が入らなくて、成績もビリから二番目だったんです。このままだと産技高専への編入に必要な単位が不足してしまうから、大阪の高専の最後のテスト勉強をめちゃくちゃしたんですが、それまで真面目にやってこなかったので、大変で辛い思いをしました。
そのときに「少しずつでもいいから勉強はしないといけないな」と思ったので、将来の自分のために勉強はやっていこうと思っていました。実際入学してみたら、みんなで勉強する雰囲気があって、それに引っ張られて自然とできるようになりました。

今までの学校生活で一番嬉しかったこと、楽しかったことを教えてください

友だちとの他愛のない会話が一番楽しかったですね。悩みを相談したり、されたりできる人間関係が出来てよかったと思います。
あとは、部活で成長を感じられて嬉しかったです。届かないと思っていたボールに届くようになったりして、周りの人に褒められたり評価されたりしてよかった。それも人との関係性が築けたということなので、結局はそれが一番嬉しかったことかもしれません。

生産システム工学コースを選んだ理由を教えてください

都立産業技術高専 学生インタビュー:生産システム工学コース 安藤さん編入する際に、生産システム工学コースか機械システム工学コースのどちらかだと思っていたんですが、当時、機械システム工学コースの学生が多くて生産システム工学コースしかいけなかったというのがぶっちゃけた理由です。笑
ただ、入ってみたら雰囲気も自分に合っていたし、コースの特徴みたいなものも自分に合っていたので、結果良かったのかなと思います。

このコースにはどういった特徴があると思いますか

やはり3DCAD*1を使った設計技術を身に付けられるのは大きな特徴だと思います。手書きの製図は立体でとらえるのが大変ですが、3DCADを利用すると目に見えてわかるので、やりやすかったですし、その技術を持っているのは今の自分の強みになっていると思います。
あとは広い意味でのものづくりを学べます。生産システム工学実験実習という授業があったんですが、手を動かして回路をつくったり、商品の売価や広告費を設定して市場でどれだけ展開できるかという生産管理のシミュレーションをしたりと幅広くものづくりに関することを学べました。
他にも産業用ロボット(FMC*2)を動かしたり、ペアになって設計と加工する人に分かれてものづくりをしたりして、知らないものを見て聞いて触って考えて気づいてできるようになれることが楽しく、知識欲旺盛な人には向いていると思います。

*1 3DCAD・・・工業製品や建築物の設計・製図を行うCADの種類の一つで、造形物を立体的に表示・編集して作図を行うもののこと。

*2 FMC(Flexible Manufacturing Cell)・・・フレキシブル生産セルのこと。機械加工や組み立てにおける工場自動化のシステムで、数値制御工作機械と産業用ロボット・無人搬送車などを組み合わせたもの。

今の研究内容について教えてください

工場の日程計画*3における差立規則*4に関する研究をしています。パソコン上で仮想工場を設置して、製品の一番効率の良い生産ルールはどういうものかを研究しています。
実際の工場では、人事配置や機械配置を変えることはコストも掛かり難しいので、生産から搬送の優先順位や順序などのルールを変更することにより、効率的な生産をシミュレーションしています。

*3 日程計画・・・プロジェクトの工程を計画することで、作業手順計画と日程計画を含めた計画全般の工程管理のこと。また、リソース単位の作業順番や作業の日時を決定する生産スケジュールのこと。生産計画ともいう。

*4 差立規則・・・ある機械・設備で、一つのジョブの加工が終わったとき、次にすべき作業を 決定し指示する活動のこと。作業者に対して、作業の着手と完了の時期、作業内容(作業者、品名、数量、必要な材料、治工具、図面など)、作業手段(機械、設備など)を具体的に作業指示すること。作業手配ともいう。

卒業後の進路に就職を選んだ理由は何ですか

インターンシップに行って、楽しかったというのも大きいですが、大学や大学院に進学する自分の姿が想像できなかったのが一番の理由です。今、自分が持っている技術や知識でどこまでやっていけるか挑戦したかったという気持ちもあります。

産技高専を志望する方へのメッセージ

どんどん変わっていってほしいと思います。産技高専では、個性的な学生や教員も多く、良いこともあれば、嫌なこともある新鮮な環境だと思います。ただ、個性的な人たちと「自分とは違うから」とぶつかり合うのではなくて、その人たちと自分自身の違いを楽しんだり、柔軟に受け入れたりして、自分を良い方に少しずつ変えて、どんどん成長していってほしいと思います。


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