成田さんインタビュー(平成30年4月)

都立産業技術高専 卒業生インタビュー:成田さん

成田さん
平成25年度 情報通信工学コース卒業
剣道部所属
現在 株式会社NTTPCコミュニケーションズ所属
平成30年4月インタビュー


成田さんは、荒川キャンパスの情報通信工学コースで学び、卒業後はネットワーク関連において、顧客の様々な課題を解決している株式会社NTTPCコミュニケーションズへ就職しました。本校や企業での実体験について今回伺いました。

産技高専を志望された理由は何ですか

中学生のときに、ものづくりができる学校に進みたいなと思って、いろいろ探していたのですが、その中に産技高専があって志望しました。そもそも、小学生のころにNHKの工作番組を観て、ものづくりに興味を持って、祖父と一緒に工作キットのようなものを購入して、製作していました。その延長でものづくりをやっていけたらいいなと思って、地元茨城の高校も検討していたのですが、つくばエクスプレスを利用して、ドアトゥドアで一時間程度だったこともあり、産技高専にしました。

情報通信工学コースを選んだ理由は何ですか

入学当初は、なんとなく航空宇宙工学コースに行こうと思っていました。元々、荒川キャンパスは航空高専だったし、乗り物っていいなって感じで本当になんとなく思っていました。
入学してから、実験実習があって、スライドパズルをプログラミングでつくったことがあります。そのときは、別に「スライドパズルをつくりなさい」と言われてつくったわけではなくて、「じゃあゲームをつくってみましょう。何をつくるかはお任せします」とテーマを与えられて自由につくりました。その経験を通して、自分で「これつくろう!」って思ったものを「どうやってつくろう」って考えることが好きなんだなと自覚しました。
そうなると、別に、乗り物をつくるんじゃなくて、プログラミングで何かをつくるのも面白いなと感じたので、情報通信工学コースを選びました。プログラミングで、つくる目標があって、実現するためにどうしようって考えて調べて、コマンドを打って思ったとおりの反応が返ってきたときの感動がありました。

自分の「こうしたい!」を叶える手段がものづくりでした。「あれがほしい!」「じゃあつくろう!」っていう感じで。

産技高専で学ぶことのメリットや良い点を教えてください

若いうちから専門的な、自分の好きな分野を勉強できることが何より魅力的だと思います。一般的には、普通の高校に進学して大学に行くというルート、専門的なことをやりたければ高校卒業後に専門学校に行くというのが定番のルートだと思います。ただ、自分の進みたい道が「これだ!」と決まっているなら、産技高専はいい学校です。
そもそも私の場合は、大学受験のための勉強をやりたくなかったんです。自分の好きなことを早く勉強したかった。結果、自分の好きなことを勉強していることが何よりも勉強のモチベーションにつながっていたように思います。

15歳のときに、「高専で5年間勉強して、その後技術者になる」と決めるのにはかなりの覚悟が必要ではなかったですか

私の場合は、「これになりたい!」と思って入学を決めたわけではなくて、「ものづくりがしたい!」と思って決めました。なりたいものではなくて、やりたいことを優先したので、特に勇気や覚悟みたいなものはなかったですね。

産技高専時代にやり残したことはありますか

課題と部活で忙しかったので、遊びや恋愛に時間を使いたかったなあと思うこともあります。笑
あとは今の仕事につながるような専門的な知識をもっと勉強しておけばよかったと思うことはいっぱいあります。というのも、やはり仕事をしていると、プライベートにも時間を使ってしまうし、なかなか勉強するための時間が取れません。勉強する時間は与えられないと難しいなと感じていて、もっと自由な学生時代に勉強しておけばよかったなと思います。今はそんな中でも、無い時間を練って資格取得のために、研修などに参加していこうと思っています。

今、会社ではどのようなお仕事をされていますか

法人向けITインフラの営業担当をしています。インターネット、VPN、サーバインフラ、データセンタ、クラウド基盤などを、既存顧客や問い合わせを受けて提案しているような仕事です。高専にいたころに学んだネットワークの基礎知識なども大いに役立っていますし、苦労したレポートの書き方も会社での文書作成に役立っています。

働いていて大変なこと

入社当初、社会に出るにあたって、当たり前にできないといけないことができておらず、それを克服するのが大変でした。元々SE志望だったところを営業になったので、最初はどうしたらいいのかがわからず、戸惑いました。それに、先輩から指摘されたのは、社会人としての意識がなっていないということでした。私はものづくりにばっかり興味があったので、新聞を読んだり、ニュースを見なかったり、世の中の情報収集ができておらず、顧客の方とお話していても、わからないこともありましたし、結果ニーズがわからないということもありました。
それに社内でのコミュニケーションもうまくできていませんでした。顧客の方から言われたことを開発の部署に伝えても、「何を言っているかわからない」ってよく言われていました。相手がある程度わかっていると思って話してしまっていたことが原因だと思います。
今は、会社での先輩の指導と、剣道部で鍛えた根性のおかげで何とか改善されたと思いますが、入ってすぐのときは大変でした。

働く上で大切にされていることを教えてください

人間関係を大切にしていたいと思っています。社会に出てから、働いていく上では、人間関係、コミュニケーションが大切であると実感しました。学生のときは友達が何人かいればいいと思っていましたが、会社に入ると誰とでもコミュニケーション取らないといけないことも多い。学生のときは一人でなんでもできると思っていたし、「一人でできる=自分の技術力の証明」のように感じて、それがかっこいいと思っていた部分もあります。よく言えば責任感があったのかもしれません。ただ、社会に出てから一人じゃできないことがこんなにもあるのかと衝撃を受けたこともあり、チームや会社の人と協力してより良いものを顧客の方に提供するためにも、社内外問わず人間関係を大切にしたいと思います。

産技高専時代の自分に「もっと周りと協力しろ」と伝えたいですか

たぶん言っても聞かないと思います。無駄ですね。笑
社会人になってから頭打つしかないです。窮地に立たされれば変わると思います。

今後のキャリア展望や夢について教えてください

元々SE志望だったので、将来はSEをやりたいと思っています。営業からSEになる人はあまりいないので、特に営業で経験した、営業にしかわからないようなこと、顧客の希望みたいなのを活かせるSEをしたい。営業とSEの橋渡しみたいなことができればいいなと思います。ただ、今でも学ぶことは多いので、今できることを精一杯やっていきたいと思います。

最後に、受検生や在校生に向けてメッセージをお願いします

「当たり前のことを当たり前にやる」を目標に頑張ってほしいと思います。

これは、剣道の先生の受け売りですが、実行するのは結構大変です。
あとは、自分の進む進路を真剣に考えたほうがいい。「この会社はこういうことをやっている」っていう学生のときのイメージと、実際に入ってからのイメージは結構違います。自分がしたいことができるのかを入社前に確かめたほうがいいと思います。私の場合は、本当に運がよくて、たまたまやりたいことと企業がやっていることがマッチしたので良かったですが、そうじゃない人も多く見てきたので、本当にそう思います。

 

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