ホーム トピックスロボット専門誌「ロボコンマガジン」に医療福祉工学コース・深谷研究室の研究成果が掲載

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ロボット専門誌「ロボコンマガジン(オーム社)」に
医療福祉工学コース・深谷研究室の研究成果が掲載

 ロボット専門誌として広く知られる「ロボコンマガジン」(オーム社)2010年1月号において、本校荒川キャンパス医療福祉工学コース・深谷准教授の研究室の成果が掲載されました。

 記事では、およそ842件、約1500名の発表が行われた、世界的にも著名な第27回日本ロボット学会学術講演会における注目の研究として9件を紹介しており、大学・企業関係が大半を占める中、高専の研究成果としては唯一深谷研究室の研究が採用され、記事の冒頭を飾っております。
 以下に、紹介された研究成果の概要を紹介致します。


図 下駄ロボット

<下駄ロボットによる膝伸展歩行>

 多くの人間型の2足歩行ロボットは平板の足裏にて、膝を曲げたまま歩行する「膝屈曲歩行」が一般的です。これは腰の高さを一定にして安定して歩行するためです。また平板なら複雑な踵やつま先などが無いため足裏の接地面積を拡大しやすいという狙いもあります。
 また制御主体で歩行を行わせる場合、膝が伸びきった状態は「特異姿勢」となるため、目的とする足の動きを計算により求めることができなくなってしまいます。このため大半の2足歩行ロボットは膝を曲げて歩いているのです。

 腰関節や背骨、膝などの部位に特殊な機構を増やすなどして膝を伸ばした歩行(膝伸展歩行)を実現した例もありますが、構造や制御が複雑になる、人の歩行との違いが目立つなど、それぞれに課題があるとされています。

 これに対し、深谷研究室では福祉工学の観点から人の歩行をつぶさに観察し、その結果から足裏の形状の工夫にこそ、問題解決の糸口があると考え、板状の足裏の改善に取り組みました。その結果、膝伸ばし歩行を行うための理論を導き、その解決手法を分かりやすく示す手段として、「下駄」を装着したロボットを開発しました。下駄を装着し理論を実践するだけで、普通の2足歩行ロボットが人のように膝を伸ばして歩けるようになるというのです。

 理論を証明するため、一般的な2足歩行ロボット(KHR-2HV:近藤科学製)に人間用の下駄を参考に開発した専用の下駄を装着し、人間が下駄を履いて歩く状態をロボットに反映させて歩行実験を行ったところ、本当に人と同じような膝伸展歩行を実現することができました(下記動画参照)。
 この理論はシンプル故に多くのロボットに応用可能なものであり、今後の発展が期待されるものです。また、その将来性を鑑み、特許出願の手続中とのことです。

下駄ロボットによる膝伸ばし歩行 動画

 通常、下駄は普通の靴よりも歩きづらいと考えられています。歩行を良くすることを目的に、わざわざ歩きづらい構造をロボットに採用するというのは、正に逆転の発想です。この発想は、福祉工学を通じて人を知るという知見や、実験実習や授業内のものづくり課題、卒業研究などでたくさんの研究機器を作り上げてきた経験によって培われたものだったと言います。

 既成概念に囚われることなく、理論式を生み、実際に物を製作し、実験して証明するという上記研究は、本校高専ならではの「実践的ものづくり教育」の成果の一つです。

 今後は、今回得られた結果を元に、足に疾患がある方に有用な履き物の開発などに取り組んでいく予定とのことです。

以上

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