電気主任技術者とは?資格取得のメリットや活用できる仕事とは?

「電気主任技術者ってどんな仕事なの?」
「資格の種類が複数あるけど、それぞれの内容は?」
「資格を取るにはどうすればいい?」
などの疑問はありませんか?
電気主任技術者は、電気設備の保守・管理を専門的に担うプロフェッショナルであり、社会インフラを安全かつ安定的に支える重要な役割を果たしています。この資格を取得することで、工場やビルなどの現場において、受変電設備や工場ラインといった高圧・特別高圧設備の責任者として活躍できるようになります。また、専門性の高い知識と技能を持つことから、長期的に安定したキャリアを築きやすく、技術者としての信頼や市場価値も大きく向上する点が魅力です。
この記事では電気主任技術者について以下の内容を解説します。
- 電気主任技術者の基本情報と仕事内容
- 資格の種類と取得方法
電気主任技術者という職業の全体像を知ることで自分に合った進路選択ができるかもしれません。将来のキャリアを考える参考として、ぜひ最後までご覧ください。
なお、東京都立産業技術高等専門学校の電気電子エネルギー工学コースでは、所定の科目を履修して単位を取得すれば、第二種電気主任技術者の国家試験が免除されます。興味がある方は、以下のサイトをご確認ください。
>>東京都立産業技術高等専門学校の電気電子エネルギー工学コースを確認する
電気主任技術者とは
電気主任技術者は、電気設備の保安監督を担う専門家であり、工場やビル、商業施設など電気を使うあらゆる施設で必要とされています。
電気は現代社会に欠かせないエネルギーですが、扱いを誤ると火災や感電といった重大な事故につながる危険があります。電気主任技術者は、このような事故を未然に防ぎ、電気設備を安全に管理する役割を担っています。
電気事業法に基づく国家資格
「電気主任技術者」という言葉には資格と職業という2つの側面があります。資格の面では、電気事業法に基づく国家資格であり、第一種・第二種および第三種の3つに分類されます。種類に応じて管理・監督できる電圧の範囲が異なります。
電気主任技術者は、法律で設置が義務付けられているため、資格を取得していれば就職やキャリア形成に有利に働く可能性もあります。工場やビル、発電所など、電気設備を有する施設に需要があります。
さらに、AIや自動化技術の進展が進んでも、電気設備の安全管理やトラブル時の判断は、最終的に人間の責任で行われる必要があります。そのため、電気主任技術者は、将来にわたり社会に必要とされる資格です。
電気工事士との違いとは
電気工事士と電気主任技術者は、どちらも電気に関わる資格ですが役割が大きく異なります。
電気工事士は、電気配線の工事や設置を実際に行う技術者です。住宅やビルの配線工事、照明器具の取り付けなど、現場で手を動かす実務を担当します。
一方、電気主任技術者は電気設備全体の保安監督を行う管理者です。設備の点検や管理、工事の監督などを担当し、電気設備が安全に稼働するよう全体を統括します。
簡単に言えば、電気工事士が「プレイヤー」であるのに対し、電気主任技術者は「監督」の立場です。どちらも電気のプロフェッショナルですが、求められる役割と専門性には明確な違いがあります。
電気主任技術者になるには
電気主任技術者になるには、主に2つのルートがあります。
1つ目は電気主任技術者試験に合格する方法です。試験は、第一種・第二種が年1回、第三種は年2回に加え、CBT方式でも実施されています。
CBT方式とは、指定された期間内で試験会場のパソコンを使って受験する方式で、試験日時の選択や変更が柔軟に行える点が特徴です。第三種は上期・下期それぞれ約25日間の受験期間があるため、比較的自分の都合に合わせて受験しやすくなっています。
なお、第一種・第二種は決められた期日のみ筆記試験が行われ、一次試験はマークシート方式、二次試験は記述式で実施されます。
2024年度の合格率は、それぞれ以下の通りです。
| 受験者数 | 合格率 | |
| 第一種 | 一次試験:1,433人 二次試験:720人 |
一次試験:29.9% 二次試験:15.6% |
| 第二種 | 一次試験:7,479人 二次試験:2,922人 |
一次試験:28.9% 二次試験:18.9% |
| 第三種(上期・下期合計) | 49,963人 | 約16.4% |
参照:
第一種電気主任技術者試験の試験結果
第二種電気主任技術者試験の試験結果
第三種電気主任技術者試験の試験結果
いずれも合格率は20%を切っており、難易度の高い資格であることがわかります。
2つ目は認定校を卒業し実務経験を積む方法です。電気工学を専門に学べる高等専門学校や大学を卒業した後、一定期間の実務経験を積むことで資格を取得できます。
例えば、東京都立産業技術高等専門学校の電気電子エネルギー工学コースでは、第二種電気主任技術者の資格認定に必要な科目を選択履修することができます。高等専門学校の5年間で基礎をしっかり学び、卒業後に現場で実務経験を積むことで、通常の試験を受けずに資格を取得できる点は、大きなメリットといえます。詳しくは、以下のサイトをご確認ください。
>>東京都立産業技術高等専門学校の電気電子エネルギー工学コースを確認する
電気主任技術者の仕事内容
電気主任技術者の仕事は、電気設備の安全を守る保安監督業務が中心です。具体的な業務内容は以下になります。
- 電気設備の点検作業
- 故障や事故時の対応
- 電気工事の監督
電気設備の点検作業
電気設備の点検は定期的に行われ、設備に異常がないかを確認します。対象となるのは受変電設備、配電盤、発電機など、施設内のすべての電気設備です。点検では、目視による外観チェックに加え、測定器を用いた電圧や電流の確認、絶縁抵抗の測定なども実施します。小さな異常を早期に発見し、大きな事故やトラブルにつながる前に対処するのが点検の最も重要な目的です。
故障や事故時の対応
電気設備に故障や異常が発生した際、電気主任技術者は原因を特定し、適切な対応を指示します。停電が発生した場合には、迅速に原因を調査し、復旧作業を指揮する必要があります。
緊急時には、冷静な判断力と専門知識が不可欠です。二次災害を防ぎつつ、できるだけ早く設備を復旧させることが求められます。工場であれば生産ラインの停止、病院であれば医療機器への影響など、電気の停止は社会や事業活動に大きな影響を及ぼすためです。
さらに、事故が発生した場合は原因を徹底的に分析し、再発防止策を立案します。過去の事故事例から学び、より安全な設備管理につなげていく姿勢が、電気主任技術者には強く求められます。
電気工事の監督
施設内で電気工事が行われる際、電気主任技術者は工事が法令に沿って安全に実施されているか監督します。工事計画の確認から、工事中の安全管理、完成後の検査まで、一連の流れを管理するのが電気主任技術者の役割です。
また、工事業者との打ち合わせや調整を担当することもあります。技術的な観点から適切な工事方法を提案し、予算や工期とのバランスを考慮しながら、最適な工事計画を立てなくてはなりません。
工事完了後は、設備が正しく稼働するか試運転を実施し、安全性を確認してから本格稼働させます。新しい設備が既存の設備と問題なく連携できるかの確認も、電気主任技術者の重要な責任です。
電気主任技術者の資格
電気主任技術者には、第一種から第三種までの3つの区分があります。それぞれ扱える電気設備の電圧範囲が異なり、難易度も変わってきます。
第一種電気主任技術者
第一種電気主任技術者は、すべての電圧の電気設備を扱える最上位の資格です。大規模な発電所や、超高圧の送電設備なども管理できます。
試験の難易度は非常に高く、電気工学の深い知識だけでなく、高度な計算力や応用力が求められます。
主な就職先は電力会社や大規模な工場、重要インフラ施設などです。責任は大きいですが、その分やりがいも大きく、技術者として最高レベルのキャリアを築けます。
第二種電気主任技術者
第二種電気主任技術者は、電圧17万ボルト未満の電気設備を扱える資格です。大規模な工場やビル、商業施設など、幅広い現場で活躍できます。第一種よりは取得しやすいですが、依然として難関資格です。ただし、高等専門学校で電気電子工学を学び、卒業後に5年間(※)の実務経験を積めば、試験を受けずに申請で取得できます。
※卒業前の経験年数の2分の1と卒業後の経験年数との和が5年以上
第二種を持っていれば、ほとんどの産業施設で電気主任技術者として働けます。需要が高く、就職先の選択肢も豊富です。
第三種電気主任技術者
第三種電気主任技術者は、電圧5万ボルト未満の電気設備を扱える資格です。中小規模の工場やビル、商業施設などで必要とされています。第三種は電気主任技術者の入門資格として位置づけられますが、需要は非常に高く、資格を持っているだけで就職しやすくなるでしょう。
第一種や第二種に比べると難易度は低めですが、合格率は例年15%前後と、決して高いわけではありません。なお、高等専門学校では電気電子工学を学び、卒業後に2年間(※)の実務経験を積めば、試験を受けずに申請で取得できます。
※卒業前の経験年数の2分の1と卒業後の経験年数との和が2年以上
まずは第三種を取得し、実務経験を積みながら第二種、第一種とステップアップしていくキャリアパスが一般的です。
実践的な経験を積みながら資格取得を目指せる東京都立産業技術高等専門学校
電気電子エネルギー工学コースでは、環境・クリーンエネルギー、エレクトロニクス、情報制御の3分野を教育の柱としています。低学年では電気電子回路などの専門基礎科目を学び、高学年ではコンピュータ工学やシステム工学、パワーエレクトロニクスなどの高度な専門科目へと進んでいきます。
5年間を通じて実験実習が充実しており、理論を実体験を通じて深く理解できるカリキュラムです。第5学年の卒業研究では、少人数に分かれて専門テーマの研究に取り組み、柔軟な発想力や実践的な応用力を養います。
さらに、電気工事士や電気主任技術者、情報処理技術者などの資格取得にも力を入れており、第二種電気主任技術者の資格認定に必要な科目も選択履修することができます。
高等専門学校卒業後に5年間の実務経験を積むことで、試験を受けずに第二種電気主任技術者の資格を申請できます。試験合格ルートに比べて確実性が高く、現場で実践的な経験を積みながら資格取得を目指せるのが大きなメリットです。
電気主任技術者という明確な目標を持って高等専門学校に進学すれば、専門性の高い技術者として社会インフラを支える仕事に携われます。国家資格保持者として、高い信頼性と専門性を武器に、安定したキャリアを築くことができるでしょう。
東京都立産業技術高等専門学校に興味をお持ちの方は、ぜひ以下のサイトをご確認ください。
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