
ものづくり分野に強いAIエンジニアになるには?実際にものづくり分野でどんな活躍をしているの?
「AIエンジニアになりたいけど、どの進路を選べばいいの?」「そもそもAIエンジニアはどんな業界で活躍している?」「AIって聞くと難しそうだけど、今から準備できる...

「AIを専攻すると将来どんな仕事ができるの?」
「AIを学んだら就職に有利になるの?」
などの疑問をお持ちではありませんか?
近年、AI技術は私たちの生活のあらゆる場面で活用され、AIに関する知識やスキルを持つ人材の需要は年々高まっています。しかし、実際にどのような職業に就けるのか、どんな学習が必要なのか、イメージしづらい方も多いのではないでしょうか。
この記事ではAIについて、以下の内容を分かりやすく解説します。
この記事を読むことで、AI専攻の進路の選択肢が明確になり、自分に合った将来像を描きやすくなります。AIを学ぶことで広がる可能性を知り、進路のヒントを得たい方はぜひ最後までご覧ください。
また、東京都立産業技術高等専門学校のAIスマート工学コースでは、AIを活用した「スマート化」の技術を用いて、ものづくりができる技術者を育成するための実践的なカリキュラムを用意しています。AIを活用したものづくりに興味がある方は、ぜひサイトをご確認ください。
>>東京都立産業技術高等専門学校のAIスマート工学コースを確認する
AIとは人工知能「Artificial Intelligence」の略称で、膨大な情報を高速に処理し、人間のように論理的な推測や判断を行う能力を持つプログラムです。
総務省が公表している「情報通信白書」では、AIを次のように説明しています。
| 「AI」とは、人間の思考プロセスと同じような形で動作するプログラム、あるいは人間が知的と感じる情報処理・技術といった広い概念で理解されている。 引用:AIに関する基本的な仕組み | 総務省 |
AIは特定の分野に限らず、医療・製造・金融など、幅広い産業で応用されている技術です。AIを学ぶことで、今後多様な業種・職業に携われる可能性が広がります。
AIは発展段階や機能によって分けた場合、一般的に以下の3つに分類されることが多いです。
| 種類 | 概要 | 特徴 |
| 特化型人工知能(ANI) | 特定のタスクに特化したAI | 現在実用化されているほとんどのAIが該当する。画像認識・音声認識・翻訳など、限定された範囲で高い性能を発揮する。 |
| 汎用人工知能(AGI) | 人間と同等の知能を持つAI | 複数の異なるタスクを人間のように柔軟にこなす能力を持つ。現在は研究段階で、実現には至っていない。 |
| 人工超知能(ASI) | 人間の知能を超えるAI | あらゆる分野で人間を上回る能力を持つとされる理論上の概念で実現はしていない。 |
現在、私たちが日常生活で使用しているAIの多くは、特化型人工知能(ANI)です。スマートフォンの音声アシスタントや動画配信サービスのおすすめ機能、カメラの顔認識などが代表例です。
一方、汎用人工知能(AGI)は、人間のように状況に応じて複数の行動を判断・実現できるAIとして研究が進められています。例えば、「レシピの作成 → 材料の購入 → 調理」まで一連の行動を自律的に行えるようなレベルです。
人工超知能(ASI)は、人間の知能を全面的に超える存在として想定されていますが、現時点ではSFの世界に近い段階であり、実現に向けては多くの議論が続いています。
AIの種類ごとに活用シーンは大きく異なります。
特化型人工知能は、すでに私たちの生活のあらゆる場面で活躍しています。
このように、ANIは限定された領域で精度の高い判断を行い、生活の利便性を高めています。
汎用人工知能は、研究段階ですが、将来的には以下のような活用が期待されています。
汎用人工知能が実現すれば、人間と協力しながらより高度な課題に取り組める社会が期待されます。
人工超知能は理論段階ですが、可能性としては以下のような役割が想定されています。
ただし、人工超知能の開発には技術面だけでなく倫理面の課題も多く、慎重な議論が求められています。現時点でAIを活用したものづくりを行う場合、中心となるのは特化型人工知能(ANI)です。
実社会で活かせるAI技術の多くは、このANIをベースに発展しています。
AIを学ぶには、仕組みの理解と活用方法の習得という2つの側面からアプローチする必要があります。それぞれの学習項目を見ていきましょう。
AIそのものの仕組みを理解するには、技術的な基礎知識の習得が欠かせません。
AIの根幹を支えるのが、数学と統計学です。データを分析し、パターンを見つけ出すには、これらの知識が必須となります。
特に線形代数や微積分、確率統計は、AIアルゴリズムを理解するうえで基礎となる分野です。数学をしっかり身につけることが、AI学習の土台になるでしょう。
また、統計学ではデータの傾向を読み取り、予測モデルを構築するための考え方を学びます。これはデータサイエンスの分野でも中心的な役割を果たす知識です。
数学や統計学の知識を理解しておくことでAIがどのような仕組みで動いているのかを深く理解できるようになります。
AIを実際に動かすには、プログラミングスキルが必要です。
代表的なプログラミング言語にPythonがあります。Pythonは文法がシンプルで初心者にも学びやすく、AI開発の特定の機能を再利用できる形でまとめたプログラムの部品である”ライブラリ”が豊富に揃っています。また、JavaやC++などの言語も、AIシステムの構築に使われることがあります。まずは一つの言語をしっかり習得し、プログラミングの考え方を身につけることが、AI活用への第一歩です。
機械学習は、AIに学習能力を与える技術です。大量のデータからパターンや規則性を見つけ、新しいデータについて予測や判断を行います。
機械学習には、教師あり学習・教師なし学習・強化学習などの手法があります。それぞれの特徴や使い分けを理解することで、目的に応じたAIシステムを設計できるようになります。
深層学習(ディープラーニング)は、機械学習の一種で、人間の脳の神経回路を模した「ニューラルネットワーク」を利用します。データの特徴を自動で学習する技術で、画像認識や自然言語処理などで高い精度を実現している技術です。
どちらもAI技術の中核を支える重要な学習分野であり、これらの仕組みを理解することで、AI技術がどのように実現されているのかを体系的に学べます。
AIの技術を実社会で役立てるには、仕組みだけでなく活用方法についての知識も必要です。
AIを効果的に活用するには、適用する業界の知識が欠かせません。業界特有の課題やニーズを把握することで、AIを活かした最適な解決策を提案できるようになります。
例えば、医療画像診断にAIを活用する場合、医師がどのような思考プロセスで診断を行っているのかを理解することが重要です。AIは「人間の思考プロセスと同じような形で動作するプログラム」のため、まずは業界ごとの知識や判断基準を知っておく必要があります。
業界知識とAI技術を組み合わせることで、真に価値のあるシステム開発が可能になります。
生成AIでは、学習のために非常に多くのデータを扱うため、法律や倫理についての理解も必須です。例えば個人情報保護法や知的財産権、データの取り扱いに関する規制、プライバシー保護、公平性・透明性の確保などを理解し、安全で信頼性の高いAIシステムを設計する必要があります。
生成AIによる差別や偏見を生まないための配慮、説明可能なAI(「なぜその答えを出したのか」が説明できる能力を持つAI)の開発など、技術面だけでなく社会的な責任を果たす視点も必要です。
情報リテラシーとは、情報を適切に扱う能力を指します。
AIを扱ううえでは、データの信頼性を見極める力、情報源の検証能力、また、AIが生成した結果を批判的に評価する姿勢も求められます。
AIの回答や判断は現時点では完全ではなく、誤りを含むケースもあります。そのため、「AIが出した情報を人間がどのように解釈するか」という視点が非常に重要です。さらに、情報セキュリティの基礎知識も欠かせません。データ漏洩やサイバー攻撃からシステムを守るための基本的な対策を理解しておきましょう。
AIの知識を活かせる職業は多岐にわたります。こちらでは、代表的な7つの職業を紹介します。
AIエンジニアは、AI技術を用いたシステムやサービスを開発する専門家です。実現したいAIの内容に応じて、機械学習モデルの構築、データの前処理、アルゴリズムの最適化などを担当します。PythonやR言語などのプログラミングスキルに加え、数学や統計学の知識が必要です。
またビジネスの面では、課題をAI技術で解決する提案力も求められます。顧客のニーズを理解し、最適なAI活用方法を考えたうえで、設計・実装していく仕事です。
関連記事:ものづくり分野に強いAIエンジニアになるには?実際にものづくり分野でどんな活躍をしているの?
システムエンジニアは、企業や組織の情報システムを設計・構築する仕事です。
AIを組み込んだ業務システムを導入する際には、従来のシステムにAI技術を組み合わせ、使える形に仕上げる役割を担います。顧客の要望をヒアリングし、システムの要件定義から設計、開発、テスト、運用まで幅広く関わります。
AIエンジニアと役割が似ているように感じるかもしれませんが、AIエンジニアはAIそのものを作る担当で、システムエンジニアはAIをアプリや社内システムに組み込み、使える形にするという役割の違いがあります。
AIを活用した業務効率化や新サービスの提案など、ビジネス全体を見渡す視点が必要とされます。
関連記事:【中学生向け】システムエンジニアとは?求められるスキルや学べる学校の選び方は?
ネットワークエンジニアは、コンピュータネットワークの設計・構築・運用を行います。
AI技術の進展により、ネットワークの監視や障害の検知にAIが活用されています。異常の検出やセキュリティ対策にAIを導入することで、より効率的なネットワーク管理が実現できるようになります。
また、AIを搭載した製品やサービスはネットワーク通信を前提とするものが多く、大量のデータを扱うためネットワーク環境の整備は重要です。
インフラエンジニアは、ITシステムの基盤となるサーバーやストレージ、クラウド環境などを管理します。
AIシステムを動かすためには、大量のデータを高速に処理できるインフラ(基盤)が必要です。具体的にはGPUサーバーの構築や、クラウド上でのAI開発環境の整備などを担当します。
AIサービスの安定稼働を支える縁の下の力持ちとして、AIの活用に欠かせない職種です。
関連記事:インフラエンジニアはどんな仕事?必要なスキルや仕事内容とは?
ロボットエンジニアは、産業用ロボットやサービスロボットの開発・設計を行います。
AIを搭載したロボットは、周囲の状況を認識し、自律的に判断して行動できます。画像認識や音声認識、自然言語処理などのAI技術を組み込むことで、人間との共同作業や複雑なタスクの実行が可能になります。
ロボット技術は急速に普及しつつあるため、製造現場の自動化や、介護・医療現場での支援ロボットの開発など、活躍の場は広がっています。
関連記事:ロボットエンジニアになるためには?仕事内容や必要なスキルについて解説
機械設計エンジニアは、製品、装置の構造や部品を設計する職種です。AIを搭載した製品の機器部分の設計や、センサーの配置など、ハードウェアとソフトウェアの両面から製品開発に関わります。
イメージとしては、AIエンジニアが頭脳を作り、機械設計エンジニアが体を担当するというような関係性です。
近年では、CADソフトウェアにAI機能が統合され、より高度な設計が可能になっています。
関連記事:機械設計エンジニアはどんな仕事?必要なスキルや進路選択のポイントとは?
データサイエンティストは、膨大なデータを分析し、ビジネス上の課題解決や意思決定を支援する仕事です。
統計学やAI・機械学習の知識を駆使して、膨大なデータから有益な情報を引き出します。その情報をもとに、マーケティング戦略の立案、売上予測、顧客行動の分析などの提案につなげます。プログラミングスキルに加え、ビジネス感覚やコミュニケーション能力も必要とされる職業です。
こちらでは、AIを活用する職業に就くための具体的なステップを紹介します。
AIに興味を持ったら、実際に身近なサービスでAIを意識的に使ってみましょう。スマートフォンの音声アシスタント、写真アプリの自動編集機能、動画配信サービスのおすすめ機能など、日常生活の中にAIは溢れています。
また、プログラミング学習サイトでPythonの基礎を学び、簡単なAIプログラムを動かしてみるのもおすすめです。実際に手を動かすことで、AIの仕組みへの理解が深まります。
加えて、高等専門学校など、AIに関わる学校に進学することも、AIに関わる職業に就ける可能性を大きく広げます。専門的な知識を体系的に学べる環境は、将来のキャリア形成に有利になります。
AIの仕事は、基本的に「専門分野 × AI」で構成されます。
AIエンジニアであっても、AIを適用する業界の知識が必要です。
例えば医療(生物学・医学の基礎)、金融(経済・金融知識)、製造業(機械工学・生産技術)など、興味のある分野を学び、そこに「AIを活用できないか」という視点を加えることで、実社会で活躍できるスキルが身につきます。
AIに関する資格を取得することで、自分の知識レベルを客観的に証明できます。こちらでは、代表的な3つの資格を紹介します。
E資格は、日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施するエンジニア向けの資格です。
ディープラーニングを実装するエンジニアの技能を認定します。機械学習やディープラーニングの理論、実装方法、応用技術などが試験範囲です。
JDLA認定プログラムを修了することが受験資格となっており、本格的にAIエンジニアを目指す人に適しています。
G検定は、日本ディープラーニング協会が実施する、AI活⽤のリテラシー習得のための検定です。
ディープラーニングの基礎知識、活用方法、社会への影響などを問う試験で、技術者以外のビジネスパーソンにも広く受験されています。
AIを活用したビジネスを企画・推進する立場を目指す人におすすめの資格です。
Pythonプログラミング能力認定試験は、サーティファイが実施するPython言語の能力を測る資格です。
Pythonの文法知識やプログラミング技能を問う試験で、3級から1級まであります。AIの開発にも使われているPythonを、基礎から実践的なスキルまで段階的に習得することが可能です。
プログラミング初心者が、スキルアップの目標として受験するのに適しています。
AIは私たちの生活を支えるさまざまな製品に活用されています。具体的な事例を見ていきましょう。
自動車は、AIを活用した代表的なものづくりの例です。
カメラやセンサーで周囲の状況を認識し、走行ルートや速度を判断します。そして歩行者や他の車両の動きを予測し、安全に走行するための制御を行うことで、人間の運転をアシストする技術です。
現時点ではまだ、完全に人間が手を放せる自動車は販売されていません。完全自動運転の実現にはまだ課題がありますが、衝突回避システムや自動駐車機能など、部分的な自動運転技術はすでに実用化されています。交通事故の削減や、高齢者の移動手段としての活用が期待されています。
AI搭載家電は、私たちの日常生活を便利にしています。主な例を表で紹介します。
| 家電の種類 | AIの活用例 |
| エアコン | 間取りや人の位置を学習し、最適な温度・風向きを自動調整 |
| 冷蔵庫 | 保存されている食材を認識し、利用期限の目安を提示 |
| 洗濯機 | 洗濯物の量や汚れ具合を検知し、最適な洗い方を自動選択 |
| 掃除ロボット | 部屋の間取りを学習し、効率的な清掃ルートを計画 |
使うほど家庭に合わせて動作が最適化される設計になっている製品も多くあります。
自動翻訳機は、異なる言語を話す人々のコミュニケーションを支援します。
音声認識技術で話した内容を文字に変換し、AIが別の言語に翻訳します。さらに音声合成技術で翻訳結果を音声として出力することで、リアルタイムでの会話が実現されています。
観光地での案内や、ビジネスの商談、国際イベントなど、幅広い場面で活用されているのが現状です。
医療分野では、AIを活用した診断支援システムが実用化されています。
画像診断では、X線写真やCT画像、MRI画像からAIが病変を検出。医師の診断を補助し、見落としを防ぐ役割を果たしています。
また、遺伝子情報の解析や、患者データから最適な治療法を提案するシステムも開発されている段階です。AIの活用により、医療の質の向上と医師の負担軽減が期待されています。
AIは特定の分野だけでなく、あらゆる産業で活用されています。自分の興味がある分野を見つけ、AIをどう活かすかという視点で学んでいくことが、充実したキャリアにつながるでしょう。まずは興味のある分野や技術に触れることから始めてみてください。
東京都立産業技術高等専門学校は、AIを活用した”ものづくり”を実践的に学べる教育機関です。
東京都立産業技術高等専門学校の「AIスマート工学コース」では、AI技術と機械工学・電子工学を融合させた教育を行っています。ロボット制御、画像処理、IoTシステムなど、実際のものづくりにAIを適用するスキルを習得することが可能です。
実習や演習を重視したカリキュラムにより、理論だけでなく実践的な技術を身につけられます。
興味がある方は、ぜひ以下のサイトをご確認ください。