校長メッセージ

「本校における研究上の不正防止の取組みについて」

令和4年4月

 東京都立産業技術高等専門学校は、「首都東京の産業振興や課題解決に貢献するものづくりスペシャリストの育成」を使命とする技術者養成のための高等教育機関として、平成18年に設立されました。

 本校では、この使命を達成し地域産業の活性化に寄与するために、様々な資金を活用して研究活動を行ってまいりました。こうした資金は、もとをたどれば大部分が納税者である東京都民や日本国民から負託を受けたものであり、その運用については、適正な執行や透明性について十分な配慮がなされなければなりません。しかし最近では、研究費の不正使用のみならず、研究データの捏造や改ざん、盗用といった研究者の倫理観を疑いたくなるような不正行為が各所で問題になっています。研究結果に対する責任は、研究者のみならず、研究を目的の一つとしている機関にとっては存在そのものにかかわるものであります。研究者は襟を正し、信頼を回復する行動に乗り出すべきと考えます。

 本校では文部科学省による「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)」の公表(平成19年2月)及び公立大学法人首都大学東京への移管(平成20年4月)を契機に、「東京都立産業技術高等専門学校研究費の不正使用防止に関する規則」を制定し、規則に基づいて「研究費不正使用防止対策推進室」を設置するとともに「研究費不正使用防止計画」を毎年策定して、不正防止に努めてまいりました。

 現在まで、本校では不正使用の事実はありません。しかし、平成26年2月に上記ガイドラインが改正され、同年8月26日には新たに「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」が公表されるなど、研究活動における不正防止に向け、より厳しく、具体的な対応が必要となりました。

 そして、令和3年の2月には「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)」が再度改正され、研究費不正の防止に関する高い意識を持った組織風土を形成するために、不正防止対策のさらなる強化が求められるに至っております。

 これらを受け、本校でも引き続き研究費の不正使用防止及び研究活動の不正行為防止により一層積極的に取り組み、皆様の信頼に応え得る教育・研究機関としての自覚と使命感を持って社会に貢献してまいります。
 

東京都立産業技術高等専門学校

校長  吉澤 昌純     

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