校長挨拶
東京都立産業技術高等専門学校校長
柴﨑 年彦

「ちょっとした自信を積み上げよう」
現在は、混迷の時代とも呼ばれています。インターネットの普及により、個々の生活のほとんどの場面がネットワークに繋がり、さらにAIの活用が身近なものとなりつつあります。まさにネット社会は日々進化しており、そこに政治や経済などの複雑な問題が絡み合い、物事が加速的に変化して、一寸先もなかなか見通しがつかない、そんな混沌とした社会状況になっていると言えるのではないでしょうか。このような変化の激しい社会の中で、どのように生きて行くのか、幸福とは何か、それは大きな問いかも知れませんが、一人ひとりが思いを巡らせることはとても大切であると思います。
高専は、技術を中心に学ぶ学校として、15歳から20歳まで、あるいは専攻科生は22歳までと、若く、感受性の高い年頃に、学校生活をおくります。高専の良いところは、それぞれのちょっとした疑問、アイデア、想像などについて、友人や先生と議論し、クラブ活動や課外活動などで明確化することで、学生の間に、自分の思いや考えを深め、カタチにする経験ができるところです。混迷の時代を生き抜く力は、自ら問いを立ててそれを具現化する行動力が大切と言われています。本高専に入学する皆さんには、高専での学生生活の中で、それぞれの一歩を踏みだし、小さくてもいいので自らの疑問を見つけ、深め、それを解決する経験を積んでもらいたいと思います。そして、その経験の中で、ちょっとした自信を積み上げ、大きな自信に育ててください。
「新しい教育プログラムの創設と発展について」
本高専は、平成18年に全国に先駆けて2キャンパスの新しい都立高専として開校しました。令和になり、新しい教育プログラムとして、情報セキュリティ技術者育成プログラム、航空技術者育成プログラムが開始され、その後、荒川キャンパスでは、医工連携 教育・研究プロジェクトとの一環としてコース横断型の学習システムである未来工学教育プログラムが新設され、令和5年度に第1期の修了生が輩出されました。一方、品川キャンパスでは、情報システム工学コースとAIスマート工学コースの2つの新しいコースが設置され、今年の3月に第1期生が卒業しました。さらに、令和7年度より電気電子工学コースが電気電子エネルギー工学コースに名称を変更し、新たなカリキュラムでの学習を準備しています。また、キャンパスの垣根を超えた取り組みとしては、国際社会で活躍できるエンジニア育成を目的としたGCPやIEPといった海外体験プログラムに加え、令和5年度より起業家の素養を育てることを目的としたスタートアップ教育支援プログラム「地動計画」が始まり、昨年度第3期の修了生を輩出しました。
令和8年度は、都立産技高専が開校してから20年目の節目の年となります。AIをはじめとした新たな技術革新が進む中、本高専も時代に即した新しい学びを創設していく必要があると考えています。
