【受検生向け紹介】技能検定によるものづくり能力向上プログラムの展開(機械システム工学コース)

 私達の住む社会を支えるためには高度なものづくりが要求されます。機械工学はそれを支える重要な学問の1つであり、ものづくりには図面が必要です。機械系の図面が描けるようになるために、実践的な機械加工、機械検査、機械製図の基礎の理解が大切です。これらを効果的に身に付ける方法として技能検定(国家資格)の取得があります。
 
 機械システム工学コースでは平成25年度に主に3年生向けの3級旋盤技能検定取得プログラム、平成30年度には3級機械・プラント手書き製図、令和元年度には同2級取得プログラムを立上げました。そして、令和4年度からは2年生向けの3級機械検査技能検定取得プログラムが始まり、11名が受検予定です。それらの技能検定取得プログラムには機械システム工学コースと生産システム工学コースの教員が参加し、学生達の技能検定取得をサポートしています。また、旋盤プログラムは旋盤作業に危険が伴うので作業の安全確保のため、3級技能検定を取得した学生達がSA(スチューデント・アシスタント)として受検生にマンツーマンで行う指導を平成28年度より実施しています。技能検定では開始後一度も事故は起こっていません。各プログラムは放課後に集中的に練習を行い、旋盤で36時間、機械製図で75時間、機械検査では36時間程度の練習をします。
 技能検定プログラムの展開とSAの加入により以下のような大きな教育的効果も出ています。
  1. クラスが纏まる
  2. SAを通じて上級生と下級生とに繋がりが生まれる
  3. SA自身のスキルもアップする
  4. ものづくりの理解が深まる
  5. 座学の内容に興味を示す
  6. 学生達と教員間の距離が狭まる
  7. 就職した企業の評価が高い・・・など 
 以下の表1のとおり、これまでに156名の3級・2級機械技能検定士を輩出しています。取得した学生が卒業後、企業や大学に入ってから「とても役立っている.取得して良かった」と話し、また,企業からも「産技高専の学生はものづくりを知っている」と期待の声が寄せられています。令和4年度に、機械加工・機械製図・機械検査という「描く・作る・測定する」の3本柱に発展しました。これも受検学生の意欲とSA学生の献身的な協力の賜物です。機械システム工学コースは、これらの技能検定プログラムを継続して展開し,本コースの学生達に有意義なサービスを提供して行きます。


 
 
 図1は、旋盤、機械・プラント手書き製図、機械検査の実技試験、練習風景の写真です。
 

左:機械検査の練習 右:機械・プラント手書き製図練習


旋盤練習風景
図1 各技能検定プログラムの練習
 
 技能検定を取得した学生をコーチに招き、上記の『ものづくりの実践的な教育』を展開しているのは,関東圏では品川キャンパス機械システム工学コース以外にはありません。そして、機械システム工学コースを選択した学生達は、「機械システム工学コースで良かった!・面倒見が良いコース!」と満足をしてくれています。「ものづくりが好きだ・ものづくりに関わりたい・社会に貢献をしたい・乗り物や機械に興味がある」と考えている中学生の皆さん、機械システム工学コースで一緒に学びませんか?

 

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