令和5年度学生インタビュー 佐々木さん
本科5年 航空宇宙工学コース
荒川キャンパス
佐々木さん
入学前に産技高専を知ったきっかけは何でしたか。
図工や技術が好きで、母親から勧められました。母親が理系寄りで、私自身ものづくりが好きだったので、調べてくれたのかもしれません。もともと暗記系の勉強が苦手で、図工や技術は自分の考えたことを表現するだけなのでやりやすく楽しかったからものづくりが好きでした。産技高専に入学することを決めた理由は何ですか
受検科目が3教科だったので、受検することを決めました。社会が苦手で、5教科だと偏差値が低かったので…荒川周辺に住んでいて、通いやすいのもあり荒川キャンパスにしました。所属コースについては特に気にしていなかったです。初めはプログラミングがかっこいいと思い、プログラミングを学べるコースにしようと思いましたが、入学して向いてないことが分かりました(笑)
入学したら何をしたいと思っていましたか
バイトとか服装とか、自由な校風と聞いていたので学生だからできることをしてみたかったです。普通高校に行っている友達は、髪を染めたりバイトをしたりできていないので、高専でよかったなと思いました。アルバイトは地元のスーパーや飲食店、家電量販店での接客をやりました。入学して、入学前に描いていた産技高専像とギャップはありましたか
入学前は女子が少ないイメージでしたが、入学してみたら思っていたよりいました。女子だけのグループができてしまい、意外に男子と話しずらかったかもしれません。何かしら興味が強く、突き詰めている人が多いと思います。一つのことに一生懸命な人が多いです。その分、変わった人も多かったです(笑)
女性で高専に入学することに不安はありませんでしたか
特に不安はありませんでした。中学生時代に女子、男子関係なく過ごしてきたので、どちらが多くても成り立つと思っていました。実際に入ってみて、不安は解消されましたか
実際に入ってみて初めは少し疎外感を感じました。クラス替えの時期にコロナ禍だったので、コミュニケーションが取れず仲良くなりづらかったと思います。中学生の頃はどんな中学生でしたか
大人しい中学生でした。国語と理科が得意で、自分で考えてできる科目だったからだと思います。数学も理論がわかっていれば応用問題も解けるので得意ではありました。好きな科目は技術で、ラジオを作ったり真鍮を削り出したりするのが楽しかったです。校風はどんな感じか教えてください
自由な校風です。やりたいことができて、趣味に時間を使えるし、勉強したいことについても先生に聞きやすいです。でも自由な校風に飲まれてしまい、留年してしまう子が多いと感じます。先輩との交流が普通の高校と違うなと思いました。先輩との交流があったら、レポートやテストについて教えてもらうことができて、先輩と後輩の距離が違いかなと感じています。15歳から20歳まで幅広い年齢がが交流しているのが、なんかすごいなと思いました。
産技高専での生活を振り返って、一番嬉しかったこと、楽しかったことを教えてください
嬉しかったことは行きたかった企業に内定がもらえたことです。コロナ禍でインターンに行けなかったのが残念でしたが、同じ研究室に志望企業に受かっている先輩がいて、その人に話を聞いて企業について知ることができました。就活の時は「高専らしい」ことを探すことが難しかったです。私は「自由な校風」で外部の活動ものびのびできたので、中学2年生から6年間続けていた地区の図書館でのボランティアをアピールすることができました。自由な校風だったからこそ、続けられていたのかなと思います。
楽しかったことは4年生の体育で「ブワンブワン」というタイの遊びをやったことです。体育では自分たちでやりたい競技を決めることができ、申請をすればプールも使えました。
産技高専での生活を振り返って、一番つらかったこと、悔しかったことを教えてください
高専以外の友達と夏休みなど長期休みが合わなかったことが辛かったです。1週間しか友達と夏休みが被らず、そこで遊ぶしかなかったです。相手が夏休みの期間に私は期末テストだったり、私が夏休みの時は相手が中間テストだったりして予定がなかなか合わなくて…3年生から4年生に上がるときも辛かったです。普通に勉強をしていれば進級できますが、専門科目が増えたり、難しいということを聞いたりしていたのでプレッシャーを感じてしまっていました。
2年次のコース選択は難しかったですか?また、今のコースに決めた要因や理由は何ですか
1年生の時にしっかりやっていれば希望のコースに行けると思います。名前がかっこよかったから航空宇宙工学コースにしました。他のコースとはあまり迷わなかったです。インパクトもあってやっていることもすごそうだなと思っていました。「航空宇宙」という名前なので宇宙についてもたくさんやっていくのかなと思っていましたが、実際入ってみると航空ならではのエンジンに関する勉強が多かったです。
このコースにはどういった特徴があると思いますか
企業に勤めていてエンジンの開発設計をしていた先生や、JAXAや防衛省にいた先生、企業とのつながりがある先生が多く、知識が豊富だし説得力があると感じています。働いていた時のハプニングの話をしてくれるので、授業も面白く楽しいです。
このコースに所属して、よかったこと、わるかったことについて教えてください
企業とのつながりがある先生がいるので、自分が希望する企業についてよく知ることができてよかったと思います。でも、就活の時に他の高専生と比べて若干緩いように感じました。他の高専の人の方がやっていることに対する熱意があったと思います。寮とかで勉強している人に比べて産技高専生は、なんだか「ふわっ」としています。
面白い授業やおすすめの授業などを教えてください
4年生の時にあった「キャリアデザイン」は就活をする人におすすめです。自己分析や自分に合った企業の調べ方を教えてくれました。国語の選択授業では、映画を見たり、その感想を述べたりしたので面白かったです。専門の授業だけでなく一般科目も楽しめました。
先生の指導は丁寧だと思いますか?何か具体的にあれば教えてください
丁寧だと思います。授業をわかりやすくしてくれているし、専門分野に興味がある子が授業終わりに話しかけに行くと笑顔で対応してくれます。面白い先生、経験豊富な先生がいます。
研究内容はどういったものですか
3Dモデルを活用した水害シミュレーションをして、ハザードマップを作成しています。東京都のハザードマップは標高によってつくられているものですが、私が作っているものは洪水直後の水の動きから危険度を示すものです。もともとあるマップは浸水被害の大きさについてですが、現在作成しているものは初期避難に役立ち、避難の優先度がわかるものになっています。航空宇宙工学コースで勉強した解析を応用して水のシミュレーションを行っています。
思い入れのある品
▲授業で使った関数電卓
就職を進路として選んだ理由は何ですか
普通の大学から行くには、ハードルが高い企業でも、即戦力としての強みを持った高専から行く方がいいところに行けそうだったからです。大学、大学院まで研究したいとは考えていなかったので、社会に出て吸収できることを吸収したいと思っていました。就職先でやりたいことは何ですか
大学生と高専生に求められているものが違うと思います。大学生は専門性を求められるかもしれませんが、高専生は幅広い知識をもっていることを強みとして働けると思います。尖っている知識を持っている人たちの潤滑油的存在になりたいです。後輩や高専を志望する生徒へのメッセージをお願いします
自分のやりたいことは100%できるところだけど、自由過ぎて自立できない人はちょっとだけ大変かもしれないです。やりたいことをやっているように見えるけど、そういう人は実はやるべきことをしっかりやっている人たちだと思います。人に流されないようにしてください。あなたにとって産技高専とは?
『自分らしくいられる場所』良くも悪くも自由な校風の中で、自分の趣味や挑戦したいことを100%試せるし、それを支えてくれる友人や先生もたくさんいるからです。