令和5年度卒業生インタビュー 高崎さん

高﨑さん
平成30年度 本科 医療福祉工学コース卒業
令和2年度 専攻科 電気電子工学コース修了
現在 日本下水道事業団所属


 

産技高専を志望された理由は何ですか。

父親が高専出身で、普通の高校とは違う雰囲気で楽しいよということを聞いていました。また、高専ロボコンをもともと知っていてよく見ていたので、高専に興味を持ちました。それで中学2年生の時から体験入学などのイベントに参加し、ラジオを作ったり様々な体験をしたりしました。それらの経験を通して産技高専を志望しました。

所属していたコースに進まれた理由は何ですか。

機械から情報まで幅広く学べるからです。部活動に医療福祉工学コースの先輩がいて、また部活動の顧問の先生が医療福祉工学コースの先生だったので、いろいろと話を聞いてよいなと思いました。また、部活動(マルチメディア研究同好会)でプログラミングをやってみて、少し自分にとっては難しそうだなと感じていたのも理由の一つです。
 

産技高専時代に印象に残っている出来事はありますか。

高専祭です。マルチメディア研究同好会に所属していて、3年生の時に友人と合作をしようということになりました。友人に絵を描いてもらって、音楽を作ってもらい、私がプログラミングをしました。しかしエラーが出てしまい、うまく動かなかったため高専祭の1週間前から夜中に寝るような生活をしていました(笑)。前日にやっとうまく動いてくれたので、当日出すことができたのでほっとしました。でも、連日徹夜をしていたので当日は力尽きてしまっていましたね(笑)。

産技高専時代に印象に残っている授業や学びはありますか。

「エンジニアリングデザイン」です。課題が与えられ、その課題を解決するものを作る授業です。グループワークで進められて、アイディアを発表して、それに対する指摘を受け、改善、ものづくりをします。自分たちで考えたアイディアに客観的な意見を得ることができ、改善することができるので、自分たちだけではわからなかった問題点について知ることができとても勉強になりました。
また授業の一環として川崎市の施設を訪問し、実際に製品が使われる現場でインタビューをしました。一緒に畑作業をしたり、施設の方にお話を聞いたりすることができ、その施設で使える製品づくりができました。ニーズを見据えたものづくりができたので、一番印象に残っています。

産技高専時代に印象に残っている教員はいますか。

研究室の先生です。ゼミでは4年生から、授業では3年生からお世話になっていました。本科、専攻科合わせて5年間教わりました。特に文章の書き方でお世話になりました。文章を書くのがもともと苦手で、卒業論文と要約の添削をとても丁寧にしていただきました。2枚の原稿に42か所の指摘事項があり、どこがダメなのかを丁寧に書いてくださいました。また、何度も添削してくださったので書き上げることができました。本当にお世話になりました。

産技高専で学ぶことのメリットや良い点を教えてください。

実習が多く、専門的な知識を身に着けることができることです。週に一度ものづくり実験実習があり、一週間後にレポートの提出がありました。レポートをまとめるために、実験について勉強をしなければならないため、実践的で知識が身につく授業でした。理論的にはこうなるはずなのに、結果はこうなったのは、なんでなのかということを、理論を踏まえて考えていきました。考えることが身についたなと思います。結果と答えだけを書いていたらただの作業になってしまうので、考えることで身についたと思います。

産技高専時代にやり残したことはありますか。

資格ですね。今務めている企業では資格を持っていると基本給が上がるので取っておけばよかったなと思います(笑)。学校では単位になるからと取得した資格でも、現場で実際に資格勉強で得た知識を使う場面があるので、勉強をしておけばよかったです。


 

現在の進路に進もうと思った理由は何ですか。

もともと公務員になりたいと思っていました。就職活動時にインターンシップで下水道局に行った際に、専門的な知識を突き詰めていってもいいのではないかと考えました。事業団では準公務員という立場で、転勤はあるものの下水道一本で仕事ができるので就職先を決めました。また、インフラに関わる仕事に興味があったのも理由ですね。災害対応ができ、たくさんの人の役に立つことができる、生活基盤を支える仕事であることが自分にとって魅力的に感じました。
 

産技高専での学びや経験は今のお仕事等に役立っていますか。

スケジュール管理の大切さを学べたことです。業務を行っていくうえで、複数の案件を同時並行でしなければならないことがあります。産技高専で課題に取り組むときに、レポートを後回しにしたまま他の課題を進めていると、レポートが後回しになって忘れてしまったり、その逆のことが起きたりしました。それを防ぐためにスケジュールを組んで、後回しにしないように気を付けていたので、そのスケジュール管理を大切にしていたことが仕事でも役立っています。
グループワークで行う授業があったので、メンバーとのコミュニケーションの取り方やチームワーク力を学ぶことができました。一人で淡々と作業をして結果をまとめる授業では身に付かなかった力だと思います。ここで身に付いた力が現在の仕事でも役に立っています。
 

働くうえで大切にされていることを教えてください。

「妥協案でよしとしない」ことです。事業団ではコンサルに設計してもらった内容を現場にあげていき、現場で聞かれたことに対して基準量を確認して許可、指示を出すことが仕事にあります。基準以下だったら絶対だめですよと言ったり、代替案がないですかと聞いたりすることがあります。実際に現場で維持管理上問題が生じる場合があり、2か月ほど協議したことがありました。安全のためにも妥協案でよしとしないようにすることを日々念頭に仕事に取り組んでいます。
 

今後のキャリア展望や夢について教えてください。

トラブルに迅速に対応ができる人材になりたいです。問題が起きてから、内容がどういったものか理解するのに時間がかかってしまうことがあります。経験不足であるため、理解が遅れてしまうので問題をリスト化し、すぐにトラブルに対応できるような人材になるために取り組んでいます。
 

「産技高専に戻りたいな」と思うことはありますか。

研究発表を通して、発表の練習をしておけばよかったです。事業団で外部発表をする機会があったのですが、とても緊張してしまいました。産技高専時代には外部で発表する機会があったものの、1度しかやっていなかったので、もっとやっておけばよかったなと今感じています。
産技高専での学生生活が楽しかったので、その時代に戻りたいと思うことがあります。

最後に、受検生や在校生に向けてメッセージをお願いします。

高専と高校ではだいぶ雰囲気が違います。体育祭や文化祭、実験実習、専門授業など他の学校ではできない経験が積めます。イベントには是非積極的に参加して、高専ならではの雰囲気を味わってほしいです。どのイベントも独特な雰囲気がありますが、特に高専祭では実際に体験できるブースが多いので、高専を味わうことができると思います。
 

あなたにとって産技高専とは?

『いろいろな経験ができる場所』
高専は独特な雰囲気で、専門的な授業、実習が多いです。普通高校とは違う経験をすることができます。また、海外との交流では大学に近い雰囲気で取り組むことができるので、様々な経験ができる場所であるなと感じています。

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