株式会社 NTTデータ先端技術 阿部さま(令和7年インタビュー)

株式会社 NTTデータ先端技術
阿部さま
令和7年12月インタビュー
 

今回は、本校出身の阿部さまにインタビューをし、株式会社 NTTデータ先端技術についてや産技高専での学生時代についてお聞きしました。
 

株式会社 NTTデータ先端技術について教えてください

当社は、1999年にNTTデータの技術戦略を統括し、プロジェクト支援を行っていた技術開発本部から分社する形で設立された独立系SIerです。システムを動かす上での基盤となるアプリケーション、OS、ミドルウエア等の開発を行っています。NTTデータグループ内でも屈指の技術力を有し、大規模かつミッションクリティカルなプロジェクトにおいて、中核となる技術領域を長年担ってきました。
その実績を基盤として、現在では公共、金融、法人といった幅広い分野において、直接受注する案件も増加し、社会的に重要なシステムの開発に携わっています。
NTTデータ先端技術は、グループ内における“技術スペシャリスト集団”として社会のニーズに応えながら発展を続けています。
 

現在のお仕事について教えてください

入社5年目の現在、顧客企業様の次世代光ネットワーク(All-Photonics Network/APN)に関する研究支援・検証など、複数の案件に携わっています。私はリーダーとして5~10名のメンバーをまとめ、タスク管理やアサイン、お客様との調整、契約関連の手続きなど幅広い業務を担当しています。
APNとは、通信ロスがゼロ、遅延が理論値(光の速さ)に近づくことで通信のラグをほぼ解消できる、理想的なネットワークです。実用化されれば、大阪と東京のコンサートホールをオンラインでつないだオーケストラ公演の開催や、災害時に東京から地方拠点へ迅速に切り替えるディザスタリカバリーなどが可能になります。
案件は自ら提案して獲得することもありますが、顧客企業内の他部署からご相談をいただくケースも多くあります。当社は技術力や提案力への信頼が高く、「他社では断られたが、NTTデータ先端技術さんならできると思って」と期待とともに持ち込んでいただけることが強みです。
その期待に応えるため、ネットワークや仮想化基盤といった得意領域を軸に、常に技術研鑽を続けています。
 

入社したらどのような仕事をすることになるのか教えてください

入社後3か月間の新人研修を経て配属先が決まり、サーバー、セキュリティーなど、部署ごとの基盤分野を軸に様々な案件に携わることになります。配属後の担当案件は、部長やトレーナーと相談の上で決まるので、できるだけ自分のキャリアイメージに近いものに携われるように配慮もしてもらえます。
私の所属部署は扱う範囲が広く、基盤系、プログラミング、ネットワーク研究など多様な業務経験を積むことができました。
入社1~2年目はトレーナーのOJTを受けつつ業務を進め、早ければ3年目から小規模案件のリーダーを任されることもあります。現在5年目の私は10名規模のチームリーダーとして案件をまとめながら、新入社員のトレーナーも担当しています。社員の特性に応じて、伸ばすべき技術面を指導しています。
 

高専での経験が役に立ちましたか

高専の授業で学んだことは役に立ちます。特に基礎となる情報工学は、業務において、応用的な内容を扱うときの土台になります。土台がわかっていないと、エラー分析や課題解決の際、深く切り込めなくなってしまいます。
知識の指標としてはIPAが行っている基本情報技術者試験、応用情報技術者試験を参考にすると良いと思います。ただ単に、資格の勉強をするのではなく、IT業界の一般教養として身に着けておくと、アドバンテージになります。
大卒の人との違いは、一概には言えませんが、高専生は手を動かしてやったことがある、が強みだと思います。やったことがあり、頭の中でイメージができるというのは案件の様々なフェーズで役に立ちます(特に提案,要件定義,設計)。新しい案件に対して手を挙げやすくなります。

 
 

企業の夢や将来の展望はありますか

当社は、スローガン「人と技術で、まだ見ぬ未来へ」にある通り、高い技術力を最大の武器としています。他社で断られた案件をご相談いただくことが多いのも、その技術力への信頼の表れです。
そのため、社員一人ひとりが世の中に次々と生まれる新しい課題をどうビジネスに転用できるかを考えつつ、常に最新技術の習得に励んでいます。チーム内での勉強会や外部講師による講演、オンライン講座の受講環境も整備されています。海外で実施されるセキュリティーやAWS関連のセミナーへ出張参加する社員もおり、学びの機会が非常に多い環境です。

 

産技高専への入学を決めた理由を教えてください

子どもの頃からパソコンをいじるのが大好きで、情報系の勉強に興味がありました。高校進学に際し、普通科ではなく専門的な学びをしたいと担任へ相談したところ、高専を勧められました。ちょうど産技高専で情報セキュリティ人材育成プログラムが始まった年で、ぜひ学びたいと思い入学を決めました。
学生時代を振り返ると、5年間で卒研まで経験し、即戦力として社会に出られるだけの技術を身につけられたと感じています。実習のレポート課題は大変でしたが、限られた時間で成果をまとめる経験を重ねたことで、効率よく対応する力や、突発的な状況への柔軟な対応力も身に付きました。
 

産技高専生はどんな印象ですか

(卒業した電子情報工学コース(現 情報システム工学コース)の学生は)幅広い情報工学の知識を持ちながら、特定分野に強みを持つ学生が多いという印象です。当社と技術領域がマッチし、活躍できる学生が高専には多いとも感じます。
当社では専門性の深さが求められる場面も多いのですが、「この分野なら」という強みがあることで、自信を持って顧客への提案に臨むことができます。
強みを伸ばすためには「好き」「楽しい」と感じる内容であることが肝心です。私自身も学生時代はデータセンターでネットワークを触るのが楽しく、その興味を伸ばしてきました。
 

本校の卒業生の活躍状況はいかがでしょうか

現在、私を含め4名の産技高専卒業生が在籍しており、在学中に学んだ専門分野をさらに深めながら活躍しています。(同席された人事担当者様からは「高専出身者は技術習得のスピードが非常に速かったことが印象的。入社後3か月の新人研修期間中から、周囲の社員に教える場面も見られた。」といったコメントをいただきました。)
技術習得の速さは、高専での実習の賜物です。産技高専の実習では、初めて扱う内容でも2~4時間で取り組み・完結させ・レポートにまとめるというサイクルを週1回のペースで繰り返します。この「まずやってみる→検証する→報告する」という習慣が自然と身についているので、研修の場で課題をどんどんこなすことができましたし、その後の実際の業務の中でも、顧客業務でのキャッチアップの速さや、週次報告などにも生きています。
 

これから社会に出る産技高専生に求めることはありますか

まず必要なのは、技術を吸収する力です。案件によって初めて扱う技術に出会うことも多いため、「手を動かす→公式ドキュメントを読む→応用する」という一連の流れに慣れておくことが重要です。
さらに、コミュニケーション能力も欠かせません。同じエンジニア同士で伝わる説明と、お客様への説明とでは表現や話す内容を変える必要があります。技術一筋では、どうしても業務の幅が狭まりますし、チームリーダーの目線からも、自分の担当した内容はお客様に直接説明できるメンバーには頼もしさを感じます。
まずは研究室の同期と技術的な議論を積み重ねることがよい訓練になります。
また、学生のうちから大人と話す経験を積むことも大切です。入社後に関わる相手は年上の方が多いため、イベント参加や課外活動で外部の大人と接する機会を持つことをおすすめします。

 

産技高専生へのメッセージをお願いします

興味の幅を広げよう!
好きなこと、得意なことは興味を持った所から始まります。新しいことに飛び込んでみてください。
また、社会人になると、案件ごとに幅広い技術、知識が求められる一方で、時間的な制約もあり、新たな技術習得へのハードルは高くなります。今のうちに、自分の一番好きな、得意な分野を核として持ちつつ、視野を広げてください。

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