平成29年度 鈴木さんインタビュー

都立産業技術高専 学生インタビュー:医療福祉工学コース 鈴木さん

5年 医療福祉工学コース 荒川キャンパス
鈴木さん
硬式テニス部 部長
埼玉県出身

入学前に産技高専を知ったきっかけは何ですか

中学校のときは軟式テニス部だったんですが、そのときにペアになっていた友だちが教えてくれました。自分が通っていた中学校にはいろいろな高校の情報、パンフレットとかが来ていたんですが、産技高専のものは来ていませんでした。そもそも、自分の中学校から産技高専に入学したのはたぶん自分が初めてだと思います。

入学することを決めた理由は何ですか

当時、数学が好きで理系が強い高校を探していたんですが、その産技高専を教えてくれた友達と学校見学にきて、教育内容に惹かれて「どうせ高校に入って途中で文系コースか理系コースの選択をするなら最初からとことんやってやろう」って思ったからです。
あと、学校見学のときに部活動も見学したんですが、人工芝のテニスコートが4面もあったことも大きいです。充実した環境でテニスしたいなと思っていました。

入学したら何をしたいと思っていましたか

都立産業技術高専 学生インタビュー:医療福祉工学コース 鈴木さん

テニスはもちろんですが、めちゃくちゃ勉強して上位成績者になってやろうと思っていました。

入学後に、入学前と比べてギャップを感じましたか

学校見学会で来たときは正直「変な人が多いな」と思ってどうしようかなと思っていたんですが、入学後に実際に話してみると、変は変ですけど面白い人が多くてよかったです。良いギャップでした。
あとは、自由すぎましたね。中学校では担任の先生が何でもやってくれて、高専って言っても中学校の延長みたいなものだろうと思っていたんですが、何事も自分で考えて行動しないといけませんでした。他の高校にいった友だちに話を聞いたら、そこでは担任の先生が中学校のときみたいにしてくれているらしくて、高専で勉強や部活動をせずにただ遊んでいたら、本当にダメになっちゃうんだろうなと思いました。しっかり自分の成長につながるように頑張らないといけないと思って頑張りました。

中学生のころはどんな中学生でしたか?

よく遊んで、よく部活にも行って、成績もよかったです。成績がよかったので、産技高専に行きたいって相談したとき、親は応援してくれたんですが、先生はあまり高専のことを知らなくて「進学校じゃなくて、なんでここにいくの?」とちょっと反対されました。正直、ものすごく頭がいい高校に行って無理して頑張るよりも、自分の学力にあったところで、自分が好きなことを勉強しようと思っていました。

産技高専の校風はどんな感じですか

「校則って何?」って思うくらい自由です。必要最低限の規則はありますが、学生に任せてもらっていますね。

今までの学校生活で一番嬉しかったこと、楽しかったことを教えてください

テニスの関東高専大会で優勝したことが一番嬉しかったです。ほぼ毎日練習して、つらい合宿も乗り越えてきました。実際に大会のときも、その練習が自信に繋がって、満足いくプレイができました。自分が頑張ってきたことが報われた気がしましたね。

逆に一番辛かったこと、悔しかったことを教えてください

ある授業のレポートが辛かったです。先生がとても厳しくて、一度レポートを提出したら、30個くらい付箋がついて返ってきていました。実験をやり直して、出てきた数字を見ながら、その理論が合っているか検証して・・・というのを何度も繰り返しました。最終的に受理されたときはめちゃくちゃ嬉しかったし、達成感もすごくあったのでやってよかったなと思うんですけど、レポートが全部ダメになってしまったこともあるくらい大変だったので、もう一回やれって言われてもやりたくないです。実際、先生は何人分もレポートを見て同じことを全員にしているので、先生も大変だったろうなと思います。
それから、テニスで優勝した次の大会で、プレッシャーに襲われて「絶対勝たなきゃいけない」って思ってしまって、実力を全然出せずに負けてしまったことが悔しかったです。

失敗したことは何かありますか

都立産業技術高専 学生インタビュー:医療福祉工学コース 鈴木さん

一番やってしまったと思ったのは、理事長との会食をすっぽかしたことです。産技祭のときに、理事長が来られて、部活動の部長を集めてお昼ご飯を食べるというのがあったんですが、事前に案内をもらっていたにも関わらずすっかり忘れていて、顧問の先生にめちゃくちゃ怒られました。産技高専では、積極的にいろいろとやったほうがいいと思いますが、しっかり自分で予定をコントロールしないといけないということと、自分が責任を負えないような失敗には特に気をつけないといけないということを学びました。

2年次でのコース選択は迷いましたか

いろんなことが学べる医療福祉工学コースにしようと1年生の途中には決めていました。もし他のコースにいって、そこの専門が嫌いになってしまったらどうしようと思って、広く学ぶことができる医療福祉工学コースなら一通り勉強して、自分の進路を決定できるかなと思いました。あと、テニス部の先輩に「医療福祉工学コースの先生は熱量がちがうぞ」っておすすめされたっていうのも大きいです。

このコースで過ごしていて、良かったことや悪かったことはありますか

よかったことは授業内容に偏りがなく、どういった進路にも対応できる部分ですね。ただ、広く勉強するので、その分科目や課題が多い部分があるので、そこには苦しめられました。

面白いと思った授業はありますか

基本的に実験実習の授業は面白いです。シャルピー衝撃試験*1というのを一度行ったことがあるんですが、試験片にハンマーを振り下ろして、その試験片が折れ曲がったかとかどれくらい飛んでいったかという結果から材料の性質を調べるという実験で、とても面白かったですね。実験のあとにあるレポートは大変でしたが・・・。

*1 シャルピー衝撃試験・・・切り欠きのはいった角柱状の試験片に対して高速で衝撃を与えることで試験片を破壊し、破壊するために要したエネルギーと試験片の靭性を評価するための衝撃試験のこと

今の研究内容について教えてください

空気圧人工筋を用いた筋力トレーニング装置について研究・開発しています。
空気圧人工筋は、空気で動くアクチュエータで、その動きが人間の筋肉の動きに似ているので、自分たちの研究室では免荷式歩行訓練装置の動力に利用しています。免荷式歩行訓練装置は、歩行意志はあるけれど、完全自力では難しいという人に利用してもらい、歩行を再現するというものです。
自分はその空気圧人工筋を利用して、免荷ではなく、逆に負荷を与えるようにして、筋力トレーニング装置をつくってみたらいいのではないかと考えて研究をしています。実現すれば、軽量で持ち運びが簡単な、どこでも誰でもトレーニングができるような装置になると思います。

卒業後の進路に進学を選んだ理由は何ですか

技術はめざましく進歩をしていて、将来的な自分のキャリアを考えたときに、どこでも活躍できるよう、もっと専門的な勉強して、力を伸ばしたいと思ったからです。

産技高専を志望する方へのメッセージ

正直、2~4年生の間はなんで高専に来ちゃったんだろうって思うくらい大変なこともあります。でも、今となって振り返ると、これからどんなところでもやっていけると思うし、つらいことを乗り越えたっていう自信がついたので、よかったです。周りの同級生を見ても、良い企業に就職したり、進学したりしているので、全力で頑張れば明るい未来が待っていると思います。


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