令和元年度 小野さんインタビュー

あなたにとって産技高専とは?自分を鍛えて伸ばしてくれる学び舎。楽しいこと、辛いこと、嬉しいこと、悲しいこと、すべてを経験できる場所です。そしてその経験を通して自分を一歩ずつ進化させてくれます

専攻科2年 創造工学専攻 航空宇宙工学コース
荒川キャンパス
小野さん

 

産技高専の専攻科を知ったきっかけは何でしたか

中学生の頃、学校説明会に参加した時に、本科を卒業した後、就職の他にも専攻科への進学や大学への編入学といった進路があると説明を受けて専攻科があることを知りました。その時に見た産技高専の設備がとても充実していて感激したのを覚えています。

 

産技高専への入学、専攻科への進学を決めた理由は何ですか

小さい頃から星を見るのが好きで、親に買ってもらった望遠鏡でよく星を眺めていました。その頃から宇宙に興味を持つようになり、ずっと宇宙関係の勉強がしたいと思っていたので航空宇宙工学コースのある産技高専へ進学することにしました。専攻科へ進学しようと思った理由は、本科4年生から指導教員をしていただいている中野正勝教授の下でもっと学びたかったからです。中野先生は見た目は少し厳しそうに見えますが、話してみると本当に楽しくて、研究を続けるならやっぱり中野先生にご指導いただきたいと思い、専攻科進学を選びました。

 

専攻科へ進むと決めていた中、他大学の受験をしたのはなぜですか

中野先生から大学進学を勧められていたことも理由ではあるのですが、専攻科に進学すると決めていたので、力試しとして航空宇宙工学を専攻できる大学を受験することにしました。受験勉強をしていく中で高専で学べること以外の知識も身に付いたので受験をしてよかったと思っています。でも、高専での勉強と受験勉強の両立は本当に大変でした。ひたすら勉強、あまり遊べず正直つらかったですね。笑 受験も中野先生が手厚くサポートしてくださって、夏休みには面接の練習を一緒にしてくれました。中野先生には本当に感謝しかありません。

 

専攻科へ進学することの魅力はなんですか

都立産業技術高専 学生インタビュー:創造工学専攻 航空宇宙工学コース 小野さん

普通高校から4年制の大学への進学だと短い期間しか研究できず、大学院に行かないと専門的なレベルまでは学べません。産技高専の場合は本科4年生で研究室配属になり、専攻科に進学すると4年間は研究できる期間があります。10代の早い時期から専門的なことをじっくりと時間をかけて学べることはとても魅力的だと思います。

 

専攻科に入学して、思っていた専攻科像とギャップはありましたか

世間一般では「大学時代は人生の夏休み」という言葉をよく耳にしていたので、専攻科でもそのように“楽”なものだと思っていました。でも、実際は学位を取得するのに必要な単位数を修得する必要があり、授業数も多くて大変でした。正直、普通の4年制大学に通っている友人を見てうらやましいなと思ったこともありました。笑

 

本科とはどう違うか教えてください

本科は自分の所属するコースの先生の授業しか受講できませんが、専攻科では各授業ごとにいろんなコースの先生と接する機会があり、自分の専攻している分野以外の専門知識を教えていただけます。こんな世界もあるんだなと新たな発見もたくさんありましたが、自分が好きなことはやっぱり航空宇宙工学なんだなと再確認しました。笑 本科生の時は目の前の課題を片付けることに必死でしたが、専攻科に進むとじっくり時間をかけて考える時間が増えましたね。

 

航空宇宙工学コースの特徴はどういったものでしょうか

流体力学、熱力学、材料力学、機械力学などの通称4力(よんりき)を重点的に学び、特に流体力学などは他コースでは勉強しない範囲まで学ぶため、学生も必死に勉強します。

 

航空宇宙工学コースに所属して良かったこと、悪かったことはありますか

都立産業技術高専 学生インタビュー:創造工学専攻 航空宇宙工学コース 小野さん

よかったことは、実験実習の際に科学技術展示館※1にある本物の飛行機を用いた実習があり、実物の航空機に触れながら学べるところが印象的です。少し残念だったことは、授業や実習の約8割が航空系がメインで、僕のように宇宙系に興味がある学生には少し物足りないかもしれません。

※1 科学技術展示館・・・都立航空工業高等専門学校から教材として使用されてきた飛行機、ヘリコプター、航空用エンジンなどの実物など、教育的、歴史的に価値がある各種工学機器類を展示・保存しています。

 

面白い授業やおすすめの授業はありますか

全般的に授業は面白いですが、特に特別研究※2では、研究の一環として他大学の大学院生や先生方と交流する機会があり、貴重なお話を聞けたり、意見交換できるのがとても楽しいです。そのような機会を経験して感じるのは、多くの大学院生は学部4年間を卒業して進学している人が多いと思うのですが、やはり理論ではすごく強いなと思います。一方、高専生は低学年のうちから実際に手を動かしながら学んでいるので、自分の手で作り上げる点については優っていると思います。実際に学会等でも褒められて少し得意気になってしまいます。笑

※2 特別研究・・・指導教員のもと1年間ずつ実施され、専攻科教育の中核を占めています。特別研究を通じて、未知の問題に対するアプローチ手法を学び、自ら解決する能力を身につけることになります。

 

研究内容はどのようなものですか

「E×B プローブ」というイオンを検出する装置を設計・製作し、イオンエンジンから放出されるイオンの計測を行っています。JAXA※3の小惑星探査機「はやぶさ2」をニュースなどで知った方も多いと思います。そのはやぶさ2にも搭載されているイオンエンジンは、燃料としてキセノンガスが使用されています。しかし、近年ではキセノンガスに代わって水を燃料として使用する検討がされていて、そのため基礎データの収集が僕の研究です。

★小野さんの研究内容が日経新聞の「高専に任せろ!」に掲載されました。(詳細はこちら

★小野さんは第38回数理科学講演会にて学術奨励賞を受賞しました。(詳細はこちら

※3 JAXA・・・宇宙航空研究開発機構

 

大学院への進学を進路として選んだ理由は何ですか

専攻科で特別研究を進めていく中で、宇宙工学の分野をもっと深く学びたいと思い、大学院進学を希望しました。大学院生と接する中で、自分の好きなことを思う存分、自主的にできる環境が大学院は整っていると感じたのも大きな理由です。

 

就職先でやりたいことは何ですか

日本では宇宙工学の分野で働くことはまだまだ狭き門ですが、高専で学んだ知識と経験を生かした仕事ができたら良いなと考えています。

 

後輩や専攻科を志望する方へメッセージをお願いします

都立産業技術高専 学生インタビュー:創造工学専攻 航空宇宙工学コース 小野さん

学校の授業で無駄になることは1つもありません!卒業研究※4や特別研究に取り組んでいると「あの時のあの授業がこの内容で役立つんだ!」と実感します。苦手な教科はなるべく減らして、一生懸命頑張ってください!!

※4 卒業研究・・・本科5年生の時に各教員の下で個別の研究テーマに取り組みます。卒業研究を通して、研究手法の習得を目指します。

 

あなたにとって「産技高専」とは?

「自分を鍛えて伸ばしてくれる学び舎」

正直、楽しいことばかりではないけれど、楽しいこと、つらいこと、嬉しいこと、悲しいこと、全てを体験できる場所です。そして、その経験を通して自分を一歩ずつ進化させてくれます。


▲Top