令和2年度学生インタビュー 髙谷さん

あなたにとって産技高専とは?羽ばたく羽を作る学校 高専生は十人十色 羽ばたき方も十人十色  自分らしい羽ばたき方ができる自分だけの羽を作ってみよう

本科5年 電気電子工学コース
品川キャンパス
吹奏楽部
髙谷さん
 

産技高専を知ったきっかけは何でしたか。

進路相談の時に、中学校の技術の先生から高専について教えていただき、都立で自宅からも比較的近い産技高専をおすすめされたことがきっかけです。
 

産技高専への入学を決めた理由は何ですか。

体験入学※1で中学生向けのものづくり体験講座(ホタル回路をLEDで作る講座)に参加したことが大きなきっかけになりました。講師を担当していた山本 哲也 教授に電子部品の使い方について質問したところ、後日時間を設けてくださり、産技高専の先輩も交えて丁寧にご説明いただきました。これをきっかけに、山本 哲也 教授の下で専門的なものづくりを学びたいと思い、入学を決めました。

※1 体験入学…毎年、中学生を対象にものづくりの楽しさを体験してもらう「夏のものづくり体験講座」を開催しています。(詳細はこちら)※令和2年度については新型コロナウイルス感染症の影響で実施なし
 
 

入学したら何をしたいと思っていましたか。

色々なプログラミング言語を学ぼうと意気込んでいました。部活動も授業の先取りが出来ると思い、技術系の部活動に入るつもりでした。入学後に仮入部に参加したところ、技術系の部活は自分には向いていないと感じ、中学生の頃から興味があったアルトサックスに挑戦したいと思い、吹奏楽部に入部しました。
 

なぜアルトサックスに挑戦しようと思ったのですか。

幼い頃からピアノを習っていて音楽に触れていたこともありますが、中学校の同級生が吹奏楽部でアルトサックスを担当していて密かにかっこいいなと憧れていました(笑)。1年生の頃はなかなか音が出せなかったのですが、一生懸命練習して2年生のころには吹けるようになり、Myアルトサックスを買いました。ずっと憧れていたルパン三世のテーマ曲のソロパートを産技祭のステージで演奏できた時はすごく嬉しかったです。

令和2年度学生インタビュー 髙谷さん
 

入学前に描いていた産技高専像とギャップはありましたか。

実際に手を動かす実習がほとんどだと思っていましたが、座学の授業も予想していたより多かったので驚きました。それよりも驚いたのは、どの先生もその道の専門を究めた方なので、一般教科ですら中学校の先生よりも圧倒的に授業が分かりやすいことです。その道の専門家が先生として揃っているので、必要な知識を無駄なく分かりやすく教えてくれます。古典の先生が「おくのほそ道」の専門家で授業がとても面白く、今でも鮮明に覚えています。
 

中学生の頃はどんな中学生でしたか。

ものづくりが好きだったので、技術の授業では3DCAD※2を使って設計したり、楽しみにしていたプログラミングの授業が簡単すぎてがっかりしたこともありました。技術系の授業は得意でしたが、一方で体育は苦手でした…。デザインにも興味があったので、家庭科で絵本作成の課題が出た時は、美術館の絵本原画展に足を運んだこともありました。

※2 3DCAD…コンピュータを用いて設計をすること、あるいはコンピュータによる設計支援ツールのことをCADという。3DCADとは、紙で行っていた2次元図面(2D)をコンピュータ上で3次元に拡張したもの。
 

中学校に3DCADがあったんですか!

父が3DCADを持っていたので、そのお下がりを使わせてもらっていました。3DCADで設計したので完成度が高くなると思いきや、のこぎりの切り方が難しくて、設計は完璧でしたが、完成度はまずまずでした(笑)。
 

プログラミングは中学生のころから自分で勉強していたんですか。

初めてプログラミングに触れたのは小学校5年生で、誕生日プレゼントにArduino(アルディーノ)というマイコン(マイクロコンピューターボード)※3を買ってもらったことをきっかけに自分で勉強し始めました。

※3 マイコン(マイクロコンピューターボード)…さまざまな電気製品の中で、その構成要素である電気的な回路や機械的な部分を制御する半導体チップのこと。
 

ものづくりが好きなのはお父様の影響ですか。

父の影響は大きいと思います。父が子供部屋の棚やベッドを作ってくれたり、幼い頃からものづくりをする父の姿を目にしていたので自然とものづくりに興味を持ち始めました。
 

産技高専の校風について教えてください。

産技高専の学生はとても個性豊かです。趣味も特技も考え方も十人十色です。そんな環境で学校生活を送るので、どんなアクションを起こしても受けいれてもらえる雰囲気があり、色んなことに挑戦しやすいですね。とにかく自由というか、様々な考え方を受け入れてもらえるダイバーシティな校風というのがしっくりくると思います。
 

ダイバーシティな校風で良かったことや悪かったことはありますか。

もともと規則に縛られるのが好きではないので、悪かったことはありません。よかったことは、中学校までは授業で教えられるのは決められた1つの解法のみで、それ以外の解法は認められない雰囲気があったけれど、産技高専では、自分で考えて自分なりの解法を導くので、学生それぞれ違った解法が出てきます。頭をフル回転して考えることが出来ますし、色んな考え方に触れられるのがとても楽しいです。
 

自由な校風だからこそ難しいことは感じたことはありませんでしたか。

中学校までは「ワークの何ページをやってきて」と毎回細かく宿題が出されますが、産技高専では「いつまでにこの部分を分かるように勉強してきて」といった感じで細かいところまで先生に管理されないので、自分のペースで勉強を進めることができます。科目ごとに自分の理解度に合わせて勉強計画を立てられるので無駄がないと思います。怠けようと思えばいくらでも怠けられますが、毎回、専門的で高度な知識をたくさん習うので、授業を受けた直後は分からないことがたくさんある状態です。「赤点をとらないように消化していかなきゃ!」とすごく焦るので、自己管理しなくても自然と毎日勉強できていますね(笑)。
 

入学して一番驚いたことは何ですか。

校舎が立派なことです。普通高校ではありえない実験施設がたくさんあり、先生から許可をいただければ学生も実験施設を自由に使用できることはとても驚きました。ものづくりが好きな私にとっては夢の場所ですね。
 

産技高専での生活を振り返って一番嬉しかったこと、楽しかったことを教えてください。

電気電子工学コースでは、3年生のアナログ電子回路の授業でオーディオアンプ、4年生のディジタル電子電子回路の授業でCPU※4を設計します。これらが正常に動作した時はとても嬉しかったです。オーディオアンプが完成した時は友達と好きな曲を流したり、CPUが完成した時はラーメンタイマーとして活用し、友達と3分測ってカップラーメンを食べたりしました。数式や理論として習ったことが、実際に目に見える形で応用できた時には座学では得られない達成感を感じられます。実践と理論が一緒に体に入ってくることは産技高専で学ぶ醍醐味だと思います。

※4 CPU…コンピュータにおける中心的な処理装置のこと。中央処理装置ともいう。

産技高専での生活を振り返って一番つらかったこと、悔しかったことを教えてください。

電気電子では、デザイン思考の授業でグループワークを中心に課題をより革新的なアプローチで解決するための思考法を学びます。これを実際に活かす機会が毎年夏にあるデザイン思考の甲子園「モノコトイノベーション」※5です。私は2・3年生で2度挑戦しましたが、入賞することが出来ませんでした。特に3年生の時は入賞まで惜しい順位だったのでとても悔しかったです。このような大会での失敗は大きな悔しさが残りますが、その悔しさが大きな成長の一歩になったように感じています。

※5 モノコトイノベーション…株式会社Curio Schoolが開催するデザイン思考を学ぶ中高生による創造力を競い合う舞台。
              (参考:モノコトイノベーションHP


 

1年生の成績で2年生のコース選択が決まりますが、何か工夫して勉強方していたことはありますか。

特に物理は工夫していました。物理の授業はたくさんの公式が出てきて、公式同士どんな関連性があるのか分からなくなってしまうので、理解しやすいように自分流の公式集を作成していました。試験ごとに少しずつ書き足し、1年生が終わるころには1年間で学んだ公式が1冊にまとまるようにしていました。現在もそのオリジナル公式集を活用しています。
 

電気電子工学コースにはどのような特徴があると思いますか。

電気電子工学コースでは、学生が自らチャレンジできる機会がたくさんあり、そのような環境をコースの先生方が作ってくれています。先生含め、コース全体がいろんなことにチャレンジする雰囲気があります。デザイン思考の授業は、先生方も教員会議などでデザイン思考を実践しているそうで、その授業を受ける側としてもとても信頼感があります。電気電子コースでは、新しい思考を取り入れるなど、最先端の授業を提供してくださるので、常に新鮮味を感じることができ、固定概念にとらわれない雰囲気があります。
 

電気電子工学コースに所属してよかったこと、悪かったことを教えてください。

2・3年生のうちは、学ぶ知識量やレポート課題が多く、つらいなあ…と感じていました。しかし、4年生ではそれまでに学んでいた知識がパズルのピースのようにつながっていきます。その感覚がとても楽しく、めきめきと応用力を鍛えられているように感じます。そのような緻密なカリキュラムこそ電気電子工学コースの良さだと思います。
 

面白い授業やおすすめの授業を教えてください。

2・3年生の「情報処理」では様々なソフトウェアの使い方を学びます。基礎的な内容ですが、きちんと身に付けるとレポートの実験結果の処理が圧倒的に早くなるのでおすすめです。そして、外せない授業は4年生で学ぶ「ディジタル電子回路Ⅲ」のCPU設計です。学ぶ知識量や課題も非常に多く好まない学生も多いですが、2~4年生の授業内容がこんなところで…!!!という発見が満載です。電気電子分野のものづくりそのものを体感できる科目だと思います。
 

先生の指導は丁寧ですか。

分からないことを質問すると分かるまで徹底的に教えてくれます。専門科目は1つ分かるとまた1つ分からないことが出てくることがよくあります。そのたびに何度も先生に質問しましたが、いつもとても丁寧に教えてくれるので安心感があります。
 

現在、どのような研究をしていますか。

コンピューターを使って人の感情を認識する研究を行っています。ディスカッションでアイディアが活発に出る状態はどんな時なのか興味を持ち、コンピューターが感情を読み取れればその状態を発見できるのではと考え、研究を始めました。AIを活用し、声の抑揚などから音声を認識し感情を読み取る原理です。
 

進学を進路として選んだ理由は何ですか。

インダストリアルデザインの分野に興味があったからです。高専で学んだ知識は回路と回路がつながればものづくりとして完成しますが、ライフスタイルにマッチしたデザインであってこそ実用化できるものだと考えているので、大学進学後はデザインの分野を学びたいと思っています。
 

進学先でやりたいことは何ですか。

令和2年度学生インタビュー 髙谷さん

 

産技高専での5年間でものづくりの力を身に付けることができたと思っています。大学進学後は、ただ自分の作りたいものを作るのではなく、どんな人が必要としていて、どんな目的で使うのかを考えながらデザインする力を身に付けていきたいです。

 



 

TOEICスコアが学年に上がるにつれて伸びていますが、英語にも力をいれていましたか。

特別にTOEIC対策はしていませんでした。英語圏の明るい雰囲気が好きなので、学校の国際プログラムであるグローパル・コミュニケーション・プログラム(GCP)にも参加したり、3年生の時に夏休みを利用して自主的にカナダで1カ月の語学研修に参加したりしました。現地で英語に触れたことがTOEICのスコアアップにつながったのかもしれません。カナダでは、ずっと食べたかったサーロインバーガーを頼んだらサーモンバーガーを出されたことがあり、悔しくて先生やホストファミリーに発音チェックをしてもらい、満を持してリベンジできた時はすごく嬉しかったです。
 

後輩や産技高専を志望する学生へメッセージをお願いします。

やりたいことを実現できる環境が整っていることが産技高専の強みだと思います。実現のためには、知識がなくても、すぐに諦めるのではなく一度トライすること、先輩や先生に相談することも大切です。身近にすぐに相談できる人がいるのは、その道の専門家が揃う産技高専だからです。やりたいことをイメージし、わからないことは積極的に聞く姿勢を大切していると産技高専をフル活用できます!!

令和2年度学生インタビュー 髙谷さん
 

あなたにとって産技高専とは…。

はばたく羽を"つくる″学校。

産技高専生は十人十色、未来への羽ばたき方も十人十色です。自分らしい羽ばたき方ができる自分だけの羽をつくってみよう。
 


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