【特別編】株式会社ユービーセキュア × 情報セキュリティ技術者育成プログラム ~女性エンジニア × 女子学生 オンライン女子会~



企業等インタビューの特別編として、情報セキュリティ業界で働く女性エンジニアとエンジニアを目指す女子学生の対談女子会をオンラインで実施しました。株式会社ユービーセキュアから女性エンジニアの先輩として松田さん、八幡さん、中村さん、ファシリテータ―として梅村さんにご協力いただき、エンジニアを目指す女子学生の代表として情報セキュリティ技術者育成プログラム履修生の加藤さん、渕さんが参加し、学生時代のお話や女性エンジニアとしてのキャリアについてざっくばらんに話し合いました。
 

自己紹介

梅村:本日ファシリテートを担当する総務部の梅村です。よろしくお願いします。まず、ユービーセキュアの方から自己紹介をお願いします。
 
株式会社ユービーセキュア 松田さま

松田:取締役兼コンサルティング事業本部長の松田と申します。ユービーセキュア創業メンバーの一人で、社歴は会社と同じ13年になります。当社はセキュリティを扱う会社で、コンサルティング(サービスとしてお客様をご支援するところ)と開発の2部門がありますが、私は、コンサルティング事業本部長として事業を牽引する立場です。経営メンバーとして、社内の制度設計等にも関わっています。


 

株式会社ユービーセキュア 八幡さま

八幡:ソフトウェアソリューション部で製品開発している八幡です。Vexという商品はご存じですか。ユービーセキュアが独自開発、販売しているソフトウェアなのですが、私は新しい機能の設計や実装の部分を担当しており、入社してもうすぐ6年です。沖縄高専の出身で、就職を機に上京してきました。新卒から5年間は別の会社でSEとして働き、その後ユービーセキュアに転職しました。セキュリティ関連知識がまだまだ足りてないと感じていたので、セキュリティイベントに顔を出したりしてセキュリティ業界の方と交流を持つようにしています。

 
株式会社ユービーセキュア 中村さま

中村:テクニカルコンサルティング部の中村です。入社歴は5年半ほどですが、前職で1年ほどVexを使った診断サービスに携わりました。その後ユービーセキュアに転職し、手動で行う診断サービスに携わってきました。手動の診断サービスというのは、ツールでは見つけられない弱性を発見することです。現在は、手動診断サービスを実施するチームと業務の改善を実施するチームに所属しており、リーダーを務めています。洋楽やK-POPが好きなので、ライブで良い席を取ることをモチベーションに仕事を頑張っています!


梅村:それでは産技高専のお二人から自己紹介をお願いします。

 
情報セキュリティ技術者育成プログラム履修生 渕さん


:電子情報工学コース4年の渕です。3年から情報セキュリティ技術者育成プログラムを受講しています。最近は、飼い始めた猫と戯れたり、情報セキュリティ技術者育成プログラムの授業でならったマルウェア解析のことについて家でも勉強しています。



 

情報セキュリティ技術者育成プログラム履修生 加藤さん


加藤:電子情報工学コース4年の加藤です。私も3年から情報セキュリティ技術者育成プログラムを受講しています。絵をかくことが好きなので、最近は自分でLive2Dを作って動かして楽しんだり、進学に必要なTOEICの点数を取るために苦手なリスニングの対策を頑張っています。


 

加藤:高専出身の方がいらっしゃるとのことでしたが、高専では何を勉強されていたのでしょうか。
 
松田:私は、東京高専の情報工学科を卒業しました。電気科と電子科の両方を勉強しつつ、プログラミングを中心に学んでいました。

八幡:沖縄高専のメディア情報工学学科卒業です。主にプログラミングと情報コンテンツ(映画、ショートムービー)について勉強していました。ソフトウェアの勉強も電気電子寄りではなく、HTMLの作成などが多かったです。在学中にはプロコンにも挑戦しました。他の学科の友人たちからプログラミングを習い、最終的にセキュリティを専門とする先生の研究室に入ることが出来ましたが、セキュリティはやらずにソフトウェアの開発をしていました(笑)。
 
:やはり高専から就職すると、最初からプログラミングはできて当たり前という見方をされるのでしょうか。
 
八幡:全く心配ないです。私が新卒で入社した会社は文系理系、高専卒かどうかも関係なく、研修も全員横並びで受講していました。当社も最終学歴で見方が変わるようなことはないです。

松田:高専卒だと単純に年齢が若いという見られ方はしましたが、知識の部分はベースとなる知識をもっているというレベル感で、実際の学びは文系理系関係なく、一律で全員同じカリキュラムを行います。「高専卒、さあ初日から働いてください!」ってことはないですよ。

中村:私は、大学で情報系のことを学んでいました。プログラミングも勉強していましたし、応用数学、暗号化処理、人間工学がメインの学科ではあったので、セキュリティとは近からず遠からずでしたが、今の業務に直接関係があるかっていうと、正直ありません。学歴は関係なく、全員同じラインからスタートを切れるので安心してください。
 
 

自己研鑽について

加藤:学生時代に勉強会などには参加していましたか?

松田・八幡・中村:参加しませんでしたね…(笑)。

八幡:勉強会には参加していませんが、今思うと勝手に近しいことはしていました。当時、沖縄高専では、自分のHPをつくることができ、思うように使って良いスペースが与えられていたので、各々好きなソフトやウェブサービスを作って、学内に限って公開していました。私は無限に隠しページを辿るページを作っていたのでCTFに似たようなことをしていたなと今になって気づきました。
 
梅村:産技高専のお二人は勉強会などには参加されていますか?
 
加藤:先生の紹介でCTFや大和セキュリティの勉強会に参加したり、渕さんと二人でCTF for girlsにも参加しました。今年度はコロナウイルスの影響で中止になってしまいましたが、セキュリティミニキャンプにも参加する予定でした。

梅村:弊社からもCTF for girlsに参加している女子社員いましたよね…?

松田:いましたね。学生時代にやっていなくても若手の女子社員でCTF for girlsに行っていたりしますよ。今はたくさん勉強会もありますよね。

八幡:昔は地方にいたりするとなかなか勉強会も参加できませんでしたが、今はオンライン参加できるものもたくさんありますよね。地方学生も学べる機会が増えたので、全国に優秀な学生が増えそうですね。

 

キャリアパスについて

:御社はエンジニアの枠とコンサルの枠があると思いますが、職種や配属先はどのように決まるのですか?

梅村:入社時点では、エンジニア希望の方もコンサル希望の方も一緒に研修を行います。その中で適性を判断し、配属先を決定します。

:高専にも実習が得意な学生、プレゼンテーションが上手な学生と様々なタイプの学生がいます。具体的にどんな適性を見て判断していますか。

松田:3つの観点があります。一つ目は本人が何をやりたいと思って当社を志望したか、キャリアパスをどういう風に考えているか。二つ目は学校での学びなど、どんな知識がベースにあるか、それを踏まえてどのようにキャリアを積んでいくとこの人は伸びるか、知識の積み上げ方や人柄ですね。三つ目は各チームに必要な人員数や追加したいキャラクターかどうかです。三つ目については感覚的なところもあります。例えば、コンサル部門は、お客様が何に困っているのかを理解し、ヒアリングをしながら課題の見極めとその時の最善策について考える必要があるので、人との対話が好きな方が多かったりします。開発部門は広く世の中に求められることは何だろう、どう実現していけばいいのだろうといったことを考えて、新しい何かを生み出すことに意欲がある人がスタートしやすいと思います。

:コンサル部門が文系っぽくて、開発部門が理系っぽいというイメージがあるのですが…。

中村:コンサル部門にも技術オタクいますよ。私もコンサル部門にいますが、理系出身ですし、文系ばかりってわけでもないですね。技術を突き詰めていきたいタイプの人もコンサル部門にもいますし、はっきりと文系理系で分かれている感じはないです。当社では自分が何をやりたいかが優先されると思います。

八幡:もともと技術があることに越したことはないですが、あまり理系かどうかは関係ないと思います。今いる若手のメンバーはどのような機能が喜ばれるか積極的に意見をくれるので、それを技術的に長けている先輩の助けを借りながら徐々に実現していっています。ゆくゆくは自分の力で実現してくことを願っていますが、実装などの実作業では自分の技量の中からしかやれることを選べないので、もともと知識や技術がなくても日々蓄える努力をして、自分の手札をたくさん増やしていければいいのかなと思います。

 

理系女子(リケジョ)の働き方について

梅村:情報セキュリティを勉強しようと思ったきっかけは何ですか?

松田:ベンチャーを立上げた時に自分たちで作ったものを売っていたのですが、クライアントの現場の声や使ってくれた人の生の声を聞く機会があり、セキュリティというワードを聞くことが数多くありました。その中でセキュリティについて調べていくうちに、強い興味を持つようになりました。

八幡:小さい頃からスパイ映画みたいなのが好きでした。警察のサイバー犯罪課のようなところにも興味があって、限られた人しかもっていないような、高い技術をそのまま悪いことに使うのではなくて良いことに使うことにかっこよさを感じていました。沖縄警察でずっとサイバー犯罪課にいた方が沖縄高専に教員としてこられることを知って沖縄高専を受検しました。

梅村:産技高専の学生さんたちはいかがですか?

加藤:情報セキュリティ技術者育成プログラム履修生が中学生にセキュリティを教えるサイバーセキュリティTOKYOというイベントがあるのですが、中学生の頃、親に進められて参加したらとても楽しくて、学生だけでイベントを作り上げていることがすごいなと感じ、産技高専でセキュリティを学びたいと思いました。あとは、単純にパソコンを打っている姿もとてもかっこよく見えたのもあります(笑)。

:自宅から通いやすいという理由で産技高専の学校説明会に参加し、情報セキュリティ技術者育成プログラムの説明を聞いて興味を持ったことがきっかけです。

加藤:女性エンジニアとして働いていて何か苦労したことはありますか?

中村:女性だからという理由で苦労することはあまりないです。キャリアを積むにあたって苦労することは性別に関係なく一緒だと思います。

八幡:業務上で女性だから苦労したということはないですが、女性ならではの体調の波と上手く付き合うことが出来れば問題ないと思います。体調が悪い時に無理に頑張らないことが長くスキルを伸ばす意味でも大切だと思います。

松田:業務上では女性だからということは気にしたことはありません。昔のエンジニア、特に開発部門は長い時間拘束されるので、体力がないとできないと感じたことがありました。業務上、男女で差別されることはないけれど、やはり体調面などでは言い出しづらいこともありました。今後長くキャリアを積むことを考えると、定期的にワークライフバランスを見直してメンテナンスすることが大切だと思います。

梅村:女性でセキュリティエンジニアというと大変そうなイメージがありましたか?

加藤:そうですね。高専女子としてパンフレット等でも特集するぐらい女子高専生は少ないじゃないですか。最近、やっと高専にも女子学生も増えてきたところなので、セキュリティ業界で働いている女性の先輩はもっと少ないだろうなと…。そうするとやはり苦労することも多いのかなと思いました。

梅村:松田さん、セキュリティ業界での女性の働き方が変わってきたなという感触はありますか?

松田:ありますね。セキュリティ業界に限らずですが、昔はエンジニアや営業として最前線でバリバリ働いていた女性でも、産休・育休明けで戻ってくると、バックエンドの部門に配置されるとか、職場復帰することへのモチベーションや異なる職種への不安という女性の声を多く聞いてきました。今では、昔に比べ産休・育休明けの女性の働き方も多様化していますし、特に最近は、男性が育児に携わるという意識が強くなったように思いますね。

梅村:当社は 女性社員が3割なので、IT・セキュリティの業界だと多い方ですよね。最近は開発部門にも女性が増えましたね。

八幡:そうですね。女性の新人が増えるまでは比較的おとなしめの人が多かった印象です。単純に人のタイプの違いだとは思いますが、危機感や課題を表現してくれるタイプの人が増えました。それによって、チームが活発化したように思います。

:女性エンジニアとしてキャリアを積むうえで大切にしていることはありますか?

八幡:勉強しなきゃと焦ってしまう気持ちも分かりますが、自分の生活リズムを崩さずに長く続けることが大切だと思います。自分のキャラクターをオープンにして、周りの人にも理解してもらいながら無理のない範囲で技術を蓄えて、会社に貢献していくことが一番良いのではないかなと思います。

中村:女性ならではの体調不良も女性エンジニアや女性管理職も増えて相談しやすい環境になってきたかなと思います。女性が少ないことで良いこともありますよ、お手洗いが混まなかったり(笑)。

松田:謙虚さをもって他の人を頼ることも大切ですね。無理に頑張っていっぱいいっぱいで続けることもできるけど疲れちゃうし、結局は続かないので、ありたい姿をきちんと言葉で伝えることも大切です。ただ、それが自己主張のような言い方になってしまうとわがままや甘えになってしまうので、自分も努力をした上で周りに協力を仰ぐことが大切ですね。セキュリティは自分を律して手堅くやっていくことが求められるし、周りへの配慮や調和、細かなところまで気にかける等、女性が得意とされることも活かされる業界だと思います。

 

将来のために…

:学生のうちにこれはやっておくべきだったと思うことはありますか?
 
松田:採用面接の際にも必ず聞かれるのですが、時間をたっぷり使える学生のうちに1カ月放浪の旅に出るとか、時間がないと出来ないことをやるといいですよ。

八幡:たくさん遊んでほしいですね。仕事をしながら勉強するのは大変なので、既に勉強を始めている資格は取ってしまうのがおすすめです。

中村:やっぱりたくさん遊ぶのが良いと思います。頭が柔らかくて時間のあるうちに資格を取っておくこともいいと思います。エンジニアでよく必要とされる基本情報の資格をとるのもいいし、それより少し上の資格にチャレンジするのも良いと思います。自分もやってこなかったのであまり言えないですが…(笑)。やっぱり仕事後だと疲れちゃいますしね。

 

女子学生へのメッセージ

梅村:最後に女子学生へメッセージをお願いします。
 
中村:性別は気にせず、これからもしっかり勉強を頑張りながら、遊びもしっかり!そして社会人になったら一緒に頑張りましょう!

八幡:今のうちに勉強も遊びも欲張りになってください。社会人になる時に「さあ働くぞ!」と思えるようにやりたいことやり尽くしてください。

松田:女性だからこそ活かせる要素もたくさんあるし、自分の得意をどのように活かして、マイナスをどんな風に補うかを考えることが大事です。まずは自分の得意なことは何なのか、その領域をどう活かしていけるのかを考えてみてください。IT・エンジニア系は男性ばかりで怖いと思わず、是非チャレンジしてみてほしいです。
 
一同:ありがとうございました。

松田:新型コロナウイルスが落ち着いたら、ぜひオフィスに遊びに来てくださいね。
 
~オンライン対談女子会 終了~

後日、オフィスに訪問させていただいただきました。
その時の様子はこちらをご覧ください。

本件について、株式会社ユービーセキュアのブログにも掲載いただきました。
ぜひ、ご覧ください。



 
 

 

▲Top