令和4年度学生インタビュー 邑中さん

あなたにとって産技高専とは?自分の未熟さを痛感する場所

専攻科2年 情報工学コース
品川キャンパス
邑中さん
 

産技高専の専攻科を知ったきっかけは何でしたか。

中学生の頃に参加した学校説明会で専攻科があることを知りました。当時は大学に進学するだろうという漠然とした考えがあったので、専攻科に進学することは考えていませんでした。産技高専自体はエンジニアとして働く父からの紹介で知りました。

専攻科へ入学することを決めた理由は何ですか。

他大学への進学や就職などの選択肢はありましたが、より高度な専門知識や技術を習得したいという思いがあり、本科から引き続き学べる専攻科への進学を決意しました。また、本科で関係性が築けている先生方の授業を受講できたり、その中で少人数教育を受けられたりと、過ごしやすさや学びやすさが十分にあったことも決め手の一つでした。

他大学への進学や就職は検討しましたか。

当初は他大学への進学を検討していたのでオープンキャンパスや説明会などにも参加しました。その上で、「高専本科卒業後の残り2年間でさらに専門性を高めたい。そうなると、本科とカリキュラムが連続している産技高専の専攻科で学ぶ方が自身に適しているのではないか」という考えに至り、他大学への進学は選びませんでした。就職については本科の段階で、自身の技術力に関して不安があったことに加え、社会に出て取り組みたいことが明確ではなかったのであまり検討していませんでした。

どんな目標を持って専攻科へ入学しましたか。

さらなる知識や技術を習得した上で、社会でどのようにそのスキルを活用できるかという問いへの答えを専攻科在籍中に明確したい、という漠然とした目標はありました。専攻科は2年間しかないので専攻科在籍中の目標というよりは、専攻科を終えた先のことを考えていましたね。進学当時から専攻科修了後は社会に出て、腕試ししてみたいという思いが強く、専攻科でインプットした知識や技術をアウトプットするフェーズに進みたいと考えていました。

思っていた専攻科像とギャップはありましたか。

本科よりも実践的ということは前々から聞いてはいましたが、正直予想以上で、最初の数か月は面食らってしまいました(笑)。1年次を無事終えられるのか、、、という不安も出てくるほどでしたが、授業を欠かさず受講し、着実に課題をこなすことで乗り越えました。本科も自由ではありましたが、専攻科になるとさらに自由度が増すので、やるべきことを自分で考えて動く場面が増えた分、戸惑うこともありましたね。

女性で専攻科へ進学することに不安はありませんでしたか。

ありませんでした。専攻科で同じコースに在籍するのは本科生時代の同級生で既に打ち解けている仲なので、「女性だから」という理由で不安に感じたことはなかったですね。

本科とはどう違うか教えてください。

主に「学び方」が異なると思います。本科は講義中心でしたが、専攻科では授業内外での課題が多く、実践的に取り組む場面が多くなります。また、少人数での授業になるので周りの学生や先生に質問しやすく、本科に比べて更に学びやすい環境が整っているように感じます。

専攻科での生活を振り返って、一番嬉しかったこと、楽しかったことを教えてください。

「出来なかったことや出来ないと思っていたことが、試行錯誤の末にできた時」です。結局、これが一番嬉しいですし、やりがいや達成感も感じます。それから振り返ってみると、出来ないと嘆いていた時間や同級生と試行錯誤していた時間など、その過程でさえも楽しかったように感じるので不思議ですね。

邑中さん

専攻科での生活を振り返って、一番辛かったこと、悔しかったことを教えてください。

専攻科へ進学してすぐの授業や研究が辛かったです。本科に比べて、より実践的な授業や自主的に考えなければならない授業が増えたことに加え、より高いレベルの結果も求められたので、そのギャップに苦しみました。また、研究テーマを決めた時には完全に空回りしてしまい、研究テーマ発表会では先生方に酷評され、悔し涙を流した思い出があります。

その辛さや悔しさはどのように乗り越えたのですか。

それまでずっと一人で考えるタイプだったのですが、先生や友人など頼れる人に頼った方が良いということに気付き、自発的に周りにアドバイスを求められるようになりました。周りの力を借りることを覚えたので、変わらず厳しい環境ではありましたが、何とか乗り越えることが出来ました。

情報工学コースに決めた理由を教えてください。
また、コースの特徴を教えてください。

小さい頃からスクラッチやスクイーク、ビスケットなどの子供向けのプログラミング教材で遊んでいました。その後も情報系にずっと興味があり、本科生時代にも電子情報工学コースに所属していたので専攻科の情報工学コースを選択しました。また、情報系の知識や技術を身につけることで、将来社会に貢献できる人材に近づけるのではないかと考えていたことも選択理由の1つです。
専攻科の情報工学コースでは、本科生時代に学んだ情報工学に加え、自然言語処理や人工知能、ヒューマンインタラクションなど、さらに細かい分野の知識を深めることができます。

情報工学コースに所属して良かったこと、悪かったことを教えてください。

情報工学について実践を通して学び、理解を深めることができたのは良かった点です。悪かった点というよりか辛かった点になりますが、自身のスキルよりもかなり高いスキルを求められる場面が多かったので、頭を抱えてしまうことは多々ありましたね、、、。

面白い授業やおすすめの授業を教えてください。

「エンジニアリングデザイン」という半期の授業が面白かったです。私は「本科の情報システム工学コースのHPを設計から実装まで行う」という課題に取り組みました。結果的にHP案は採用には至りませんでしたが、人間中心設計やUX(ユーザーエクスペリエンス)を学び、ヒアリングし、UI(ユーザーインターフェース)設計やページの作成を行いました。先生方の指導はありつつも、ほとんど自力で考え作業することが出来たので、とても難しかったですが、非常に有意義な経験ができました。

邑中さん

先生の指導は丁寧だと思いますか。

丁寧だと思います。少人数である分、全員の理解度を見ながら進めてくださっているように感じますし、こちらが分からない点については補足して教えてくださることもあります。大学の講義はかなり大人数で行われることもあると聞いたので、そういった面では専攻科の方が丁寧な授業が多いと思います。キャリア指導面でも学生それぞれの性格や得意分野に合わせて進路先を紹介してくださり、とても親身にご指導くださいます。

どのような研究に取り組んでいるのですか。

「食材集合の集合間類似度に基づくレシピ分類に関する検討」という題目の研究に取り組んでいます。研究ではレシピ分類の枠組みを提案した上で、その枠組みを用いたレシピ分類の実験を行います。この枠組みとは、レシピに記載された食材名を要素とする集合を構成し、その集合を使ってポトフや焼きそばといった料理ジャンルごとにレシピを分類するというものです。
現在は実験結果であるレシピ分類性能やその他の数値をみながら、各料理ジャンルやレシピ分類の枠組みの特徴などを明らかにしている最中です。上手くいかないことは多々ありますが、その都度勉強になり面白いと感じています。

就職を進路として選んだ理由は何ですか。

今の研究を続けたいという意思よりも、コロナ禍を期に大きく変化した社会の中でDX事業に携わりたいという意思が強くなったからです。また、本科卒業時よりも情報工学について学びを深められた実感があったことや、自身が社会に出て取り組みたいことが明確になっていたことなども踏まえ、就職することを決意しました。

就職先ではどのようなことに取り組みたいですか。

DXソリューションからネットワークインフラまで様々な事業を展開している企業から内定をいただいています。コロナ禍を期に、暮らし方や働き方などが急激に変化している中で、今後は様々な課題を抱える顧客に寄り添い、高専で学んだ知識も活かしながら、IT技術を通して課題解決を行っていきたいです。中でも教育業界に関係する分野に携わりたいと考えており、教育のDX化に関するまだ着手されていない部分に取組み、教員の負担軽減やコスト削減に貢献したいです。

高専生活で思い入れのあるグッズはありますか。

PCとiPad

高専生活を共にしてきたPCとiPadです。PCがなければ研究もできませんでしたし、授業などのメモは全てiPadに記録してきました。私の高専での経験や学びが全てここに詰まっている大切なものです。

後輩や専攻科を志望する学生へのメッセージをお願いします。

専攻科への進学を考えている皆さんには、ある程度の覚悟を持って進学することをお勧めします。自主性を求められることが多いので、何もせずただ居るだけだと置いて行かれてしまうことも。それを踏まえ、本科で学んだこと以上の知識や技術を習得したい、本科でも研究を続けたいという方には専攻科をお勧めします。専攻科は大変なことも多いですが、その分、大きく成長できる場であることは間違いないです!

 

あなたにとって産技高専とは?

「自分の未熟さを痛感する場所」

楽しいことばかりでなく、なかなかうまく行かず落ち込むことも。
でも「未熟さ」はポジティブに変換すると「伸びしろ」。
少しずつでも、まだまだ自分なりに成長したいと思っています。

 


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