槍崎さんインタビュー(令和4年1月)

都立産技高専卒業生インタビューうつぎざきさん

槍崎さん

平成28年度 本科 電子情報工学コース卒業
現在 株式会社NTTデータ 所属
令和4年1月オンラインインタビュー


槍崎さんは平成28年度に電子情報工学コースを卒業され、現在は、株式会社NTTデータに勤務されています。
今回は、産技高専時代や現在のお仕事についてオンラインインタビューを行いました。

 

産技高専を志望された理由はなんですか。

小さい頃から手を動かして何かつくること好きで、中学時代は得意ではないですが理系科目が好きだったので、なんとなく理系に強い学校に進学したいと考えていました。中学生の時に産技高専が開催していたロボットづくりの体験講座に参加したことがきっかけで、ものづくりの楽しさを知り、産技高専を目指し始めました。産技高専は自宅からも近く、他の学校に比べると学費も抑えられる点や、早くから就職したいという希望もあったので就職実績が良い点も魅力的でした。

 

電子情報工学コースに進まれた理由はなんですか。

プログラミングの授業が面白かったので、もっと専門的に学びたいと思ったことが一番の理由です。他コースも検討しましたが、機械分野での就職をイメージできなかったので機械工学コースではないし、電気回路が苦手だったので電気電子工学コースも違うだろうと思い、電子情報工学コースを選びました。結果、電子情報工学コースに進んでよかったです。
 

 プログラミングはどのような点が面白いですか。

一見、難しくてよく分からないですし、なかなか期待したとおりに動作してくれなくて苦手意識を持つ人が多いと思いますが、正常に動作した時の達成感がやみつきになるんです。プログラミングは自分の思い通りに動かないこともありとっつきにくい面はありますが、自分が書いた通りにしか動かないので、人間と違ってある意味素直で面白いなと思います(笑)。
 
 

産技高専時代で特に印象に残っている出来事はありますか。

図書委員会に所属しており、よく図書館を利用していました。図書委員会では、委員長も経験し、ブックハンティングという図書館に置く本を本屋に選びに行くイベントを行ったり、毎月購入する雑誌の選定をしたり、とても楽しかった思い出があります。委員会の活動以外でもレポートの参考にする本を探しに行ったり、テスト前には放課後図書館で勉強したりと頻繁に利用していました。たくさんの専門書が揃っている図書館はなかなかないので、その点も普通校とは違う点ですね。
食堂も毎日利用していました。味噌ラーメンがとても美味しいので、ぜひ、食べてみてください!

 

産技高専時代で印象に残っている授業や学びはありますか。

高専での授業や実習はどれも印象に残っていて、確実に自分の身になっていると感じています。特に、実習後のレポートが大変でしたが、毎週の実習で自分の手を動かして理論を確かめながら理解を深めることができ、レポートに簡潔にまとめる能力を養うことができたと実感しています。社会人になった今、何か新しいことを学ぼうと思うと、座学がメインとなり、手を動かして確かめることはなかなかできないので貴重な経験だったと思います。
また、半導体に関する授業を中心として様々な授業において、定性と定量の両面から学んだことが印象に残っています。図を使って定性的に理論を説明した後、数式を使って定量的に裏付けをして理解を深めるのが面白かったです。
また、産技高専には個性豊かな良い先生がたくさんいらっしゃいますが、特に数学の先生は面白くて分かりやすい先生が多く、毎回授業が楽しみでした。数学が好きで先生の授業を受けたいがために、進学の予定はありませんでしたが、進学者向けの数学の授業も履修していました。高専の数学は難しいと思われがちですが、分からなくても先生に質問すれば行けば親身に教えてくれるので心配ありません。

 

産技高専時代で印象に残っている教員はいますか。

電子情報工学コースの小早川 倫広教授です。厳しくも学生一人ひとりのことをしっかり考えてくれている先生で、就職活動の面接練習では予想していた100倍くらい親身にご指導してくださり、おかげで本番の面接は緊張せずに挑むことができました。面接練習だけでなく、通常授業でもたくさん指導いただき、今の私があるのは先生のおかげといっても過言ではありません。

 

産技高専で学ぶことのメリットを教えてください。

5年間、集中してがっつりものづくりを学べることです。キャリア指導もかなり手厚く、就職実績も高いので、将来、ものづくりや理系分野に関わる仕事に就きたい人にはとても良い学校だと思います。
また、産技高専では、1年生の時に各コースの内容を少しずつ学んだ後にコースを選択するので、自分はどの分野に向いているのか実際に学んだうえで判断できる点もよかったですね。

  

逆にデメリットに感じたことはありますか。

ものづくり一直線の学校なので、勉強もハードですし、合わないと結構辛いと思います。
ものづくりが好きな学生にとっては天国のような学校なので、少しでも興味があるのなら一度飛び込んでみても良いと思いますが、入学するまで自分に合っているか分からないので正直、とても難しいですよね。高専入学の決断は、15歳の時点で今後の人生の方向性をある程度決めることになるので、家族や学校の先生など色んな人に相談して決めてほしいです。
 

産技高専時代にやり残したことはありますか。

時間がないとできないことをもっとやっておけばよかったと思います。学生時代も自分なりに忙しくしていたつもりでしたが、社会人になった今と比べると自由に使える時間がたくさんあったなと感じています。勉強をもっと頑張る、たくさん読書する、色んな場所を旅行する等、挙げ出すとキリがないですが、勉強も遊びももっと楽しんでおけばよかったですね。当時の自分に言っても絶対に勉強しなかったと思いますが・・・(笑)。あとは、高専の先生とたくさんお話しておけばよかったなと少し後悔しています。

 

現在の会社で働こうと思った理由はなんですか。

ITで世の中の滞っていること、困っていることを解決したい
 
漠然としていますが、ITで世の中の滞っていること、困っていることを解決したいなと思い、そんなことができる仕事に付けたらいいなと考えていました。就職担当の先生に就職活動の相談をしていたところ、NTTデータに就職したOGが学校に来るから会ってみないかと声をかけていただき、お話する機会がありました。OGの方がとても優しく、ハツラツとしていて、こんな人と一緒に働きたいと思い志望しました。また、NTTデータは、産休・育休などの人事制度や福利厚生が整っており、女性として魅力的なポイントでした。

 

ITで世の中の滞っていることや困っていることを解決したいと思ったのも高専での学びがきっかけでしたか。

かっこいい大人ってどんな人だろうと考えた時、自分の武器で世の中の困りごとを解決している人だなと考えました。私にとっての武器は高専で学んだ情報系の知識や技術だったので、ITを通じて社会に貢献していきたいと考えました。

 

現在はどのようなお仕事をしているのですか。

お店でよく見かけるレジ横においてあるクレジットカードの読み取り端末のシステムを扱う部署に所属しており、システムのインフラ(サーバーやネットワーク)の更改案件を担当しています。現在は、サーバの構築が一通り終わり、試験をしている段階です。目標の性能を満たしているか確認する試験を行ったり、古いインフラから新しいインフラへの移行方式の検討を行ったりしています。新しいサーバの構築や設定変更、試験実施時には、高専で学んだネットワーク、Linux、プログラミング等の知識がとても役に立っています。
クレジットカードの読み取り端末は時々街中で目にするので、無事に動作してくれ~と応援しながら眺めてしまいます (笑)。問題なく動作していることを確認できるとやっぱりほっとしますね。
 

働くうえで大切にしていることはありますか。

「明るく人と接すること」と「結論から話すこと」を大切にしています。
どんな仕事をするかももちろん重要ですが、それ以上にどんな人と仕事をするかが重要だと思っています。なるべく明るく人と接することでコミュニケーションを取りやすくなりますし、信頼関係を築くための第一歩だと考えています。この人と一緒に仕事すると気持ちが良い、この人と一緒なら頑張れると思ってもらえるようになりたいです。
また、結論から話すことは高専でのレポート作成時等にも先生に指導されてきたことです。苦手ではありますが、相手に分かりやすく論理的に伝える上では重要なことなので普段から心がけています。
 

今後のキャリア展望や夢があれば教えてください。

システムのインフラとアプリケーションの橋渡しとなり、社会に貢献していきたい。
 
システムのインフラからアプリケーションまで精通した人材になりたいです。半年ほど前まではアプリケーション開発、維持を担当する部門に所属していましたが、自身のスキルアップのため上司に相談し、インフラ部門に異動することができました。システム全体に精通した人材になるのはなかなか難しいとは思いますが、最初の一歩は踏み出せたので、引き続き、気を引き締めて頑張っていきたいです。より良いシステムを作るためにはアプリケーションとインフラお互いのことを考慮する必要があるため、将来的には私が橋渡しとなってより効率的に業務を進めることができたらと考えています。そして、業務を通して人々により便利な暮らしを提供し、社会に貢献したいです。会社の先輩方は本当に優秀な方が多く、目標となる方ばかりなので、この環境で一緒に働けることにとても感謝しています。

 

受検生や在校生に向けてメッセージをお願いします

将来、ものをつくる仕事をしたい人、理系が好きで人とは少し変わったことをしてみたい人、高専の授業内容にワクワクする人はぜひ、一度高専を見学してみてください。なかなかマニアックな学校で不安なこともあるかもしれませんが、先生方や先輩達は皆優しいので「高専って何だろう、ちょっと気になる…」という気持ちを大切に高専のことを更に知ってほしいです。
在校生の皆さんは、たくさんのレポート、本当に大変だと思いますが、実際に手を動かして理論を深められることはとても貴重な経験なので、へこたれずに引き続き、頑張ってください。先生とたくさん話して、分からないことは悩まず先生を頼ってください!
 

あなたにとって産技高専とは・・・

「今の私を育ててくれた土壌」

十代後半の5年間は人生でとても大切です。
私はその期間を産技高専で過ごせて本当によかったと感じています。
高専での学びのおかげで今の仕事をしていたり、高専時代に一生モノの友人ができたり、
今、私がこうして生きているのは産技高専のおかげです。

 


 

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