毛塚さんインタビュー(令和4年9月)

毛塚さんインタビュー 


毛塚さん
平成23年度 本科 機械システム工学コース卒業
平成25年度 専攻科 機械工学コース修了
現在 株式会社小田原エンジニアリング 所属
令和4年9月オンラインインタビュー


毛塚さんは平成23年度に本科 機械システム工学コースを卒業、平成25年度に専攻科 機械工学コースを修了され、現在は、株式会社小田原エンジニアリングに勤務されています。
今回は、産技高専時代や現在のお仕事についてオンラインインタビューを行いました。
 

産技高専を志望された理由はなんですか。

子供の頃から工作やものづくりが好きで、将来、ものをつくる仕事に就きたいと考えていました。ものづくりの中でも設計がやりたかったので、専門的に設計を学べる高専を志望しました。進学先を調べていく中で工業高校とは違う高専という学校があることを知り、工業高校より長く時間をかけて学べる点が魅力的でした。
 

ものづくりが好きになったきっかけはなんですか。

父も設計の仕事をやっていたので、学校の課題の工作を一緒にしたりする中で父の姿に憧れを抱いたことがきっかけです。父の影響はとても大きかったですね。

 機械システム工学コースに進んだ理由はなんですか。

専門的に設計を学びたかったのでCADなどが学べる機械システム工学コースを志望しました。他のコースも面白そうでしたが、設計をやりたいという気持ちは堅かったので迷うことはありませんでした。
 

他大学進学でなく専攻科進学を選んだ理由はなんですか。

本科4・5年生の卒業研究で取り組んでいたテーマがとても興味深く、専攻科に進み、同じ環境でさらに深めていきたいと思い、専攻科への進学を選びました。本科時代と同じ校舎で慣れ親しんだ教員に引き続き指導してもらえるというのは専攻科のメリットだと思います。
 

産技高専時代に印象に残っている出来事はありますか。

本科・専攻科あわせて7年間、ソフトテニス部で部活動を続けられたことです。本科で部活動は辞める予定だったのですが、先生にお願いされたことがきっかけで専攻科に進学してからも後輩指導などで部活動に関わることができ、とても嬉しかったです。初心者で入部してくる新入生が多いので、指導した後輩たちが上手なプレイをしている姿を見た時はとても感動しましたね。
 

産技高専時代に印象に残っている授業や学びはありますか。

工場で工作機械を使って加工を行う実習です。中学校までの授業では手動の工具を使った実習がほとんどなので、工作機械を使えるというのが単純に嬉しかったですね。やはり入学して間もない頃は、ものすごい速さで動く工作機械に怯えてしまったこともありましたが、回数を重ねて慣れてきて上手く加工できた時は楽しいですし、達成感がありました。座学で機械の説明だけ聞いても、実際に動いている場面や詳しい操作の仕方などはイメージしにくいですが、高専では実際に手を使って体感しながら学べることが最大の魅力ですね。実習での学びは今の仕事にも大いに活かされています。
 

産技高専時代に印象に残っている教員はいますか。

卒業研究の指導をしていただいた栗田 勝実先生と青木 繁先生(現在はご退官)です。卒業研究だけでなく、進路の相談にも親身に乗ってくださり、とても感謝しています。
また、当時ソフトテニス部の顧問だった保福 一郎先生にも大変お世話になりました。明るく熱血指導してくださり、楽しい思い出がたくさんあります。
高専は個性的で面白い先生方がたくさんいらっしゃるので、先生によって指導方法が違い、様々な指導を受けられるのも高専の魅力のひとつですね。 

在学中の卒業研究はどのようなテーマに取り組んだのですか。

免震装置の設計や性能評価などをテーマに取り組みました。2011年の東日本大震災当時、研究室を選ぶタイミングだったので、震災の悲惨さを身をもって感じ、被災された方たちに何か役立つことを研究したいと思い、地震工学を専門とする栗田研究室を選びました。

産技高専で学ぶことのメリットを教えてください。

実習がとても充実していることです。研究でも学会に参加したり、実際に肌で感じながら学べる経験はとても貴重でした。実習後のレポートが大変と大変でしたが、論理的な文章をたくさん書いた経験は社会に出てからもお客様に説明したり、文章で伝えたりするときにとても役立っていますね。知識面、技術面共に仕事に直結していると感じる場面はとても多く、高専で学んでいて本当によかったと思います。

現在の職場では高専のご卒業生は多いですか。

高専卒業生は多いですね。北海道から九州まで様々な高専出身者がいますが、ノリがあうというか、皆感覚や感性が似ていて楽しく仕事できています。

大卒の方などもいらっしゃると思いますが、高専卒業生が優れていると感じる場面はありますか。

実習をみっちり受けてきているので、設計に限らず現場作業も即戦力になります。教わらずともなんとなく機械を動かせたり、やはり「経験」という部分で優れていると感じますね。

現在、どのようなお仕事をされていますか。

巻線機の設備メーカーである株式会社小田原エンジニアリングに所属しています。モーターの銅線を鉄のコアに自動で巻き付ける設備の設計・組み立てを行い、お客様に納品する会社です。私は設計部に所属し設備設計を担当しています。

巻線機

まさに小さい頃に憧れた設計のお仕事をされているんですね!

ありがたいことに夢が叶いました。設計といっても、図面を引くだけではなく、一つ一つの部品が加工できるかなど細かな部分まで把握していないと設計することができません。その時に高専時代に実際に様々な部品を加工した経験がとても役立っていて、使えない知識がないぐらい高専時代の知識や経験が活かされています。

現在のお仕事の難しさややりがいはなんですか。

難しいと感じる時は思ったとおりにいかない時、設計どおりに動かないこともあるので難しいですが、逆に思ったとおりに動いたときは嬉しいですし、それがやりがいなのかなと思います。
 

働くうえで大切にされていることはなんですか。

設計の時点で完成品を扱うお客様をイメージすることを大切にしている(就業中の写真)

設計の時点で完成品を扱うお客様をイメージすることです。お客様に快適に使っていただくことが一番だと思うので、実際に使ってくれているお客様の話を聞いて、ニーズを設計に組み込めないか考えるようにしています。また、お客様とのコミュニケーションを大切にするよう心がけています。

今後のキャリア展望や夢はありますか。

入社してすぐは指示された仕事をこなすだけで精一杯でしたが、これからは自分から新しいアイデアを提案できるようになりたいと思っています。
 

産技高専を選んでよかったと思いますか。

高専での学びや経験が今、とても活きているといることももちろんですが、部活動や行事など全力で楽しめたので産技高専を選んで本当によかったと思います。

受検生や在校生に向けてメッセージをお願いします。

高専の恵まれた環境を存分に活かして学生時代を精一杯楽しんでほしい(高専生へのメッセージ)
産業界は日々進化していて、新しい技術もたくさん生まれてきているので、そういった分野に少しでも興味があったり、ものづくりが好きという方は高専で学んで損はないと思います。高専の恵まれた環境を存分に活かして学生時代を精一杯楽しんでほしいと思います。

あなたにとって産技高専とは?

「好きなことを見つけ、それを突き詰められる場所」

ものづくりの楽しさを体験でき、座学だけでなく、実習や研究を含めて思う存分学ぶことができる最高の学校です。

 


 

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