令和2年度学生インタビュー 関さん

あなたにとって産技高専とは?出発点と通過点 専門知識や国際化に興味を持てた出発点、将来に向けて多くの挑戦をさせてくれた通過点

本科5年 機械システム工学コース
品川キャンパス
サッカー部マネージャー・写真部
産技祭実行委員等
関さん

産技高専を知ったきっかけは何でしたか。

中学2年生の時に母と買い物に行く道中で産技祭※1ののぼりを見たことがきっかけです。品川キャンパスが自宅から近く、両親からの勧めもあり、産技高専に興味を持ち始めました。

※1 産技祭…品川キャンパスで行われる本校の文化祭。荒川キャンパスの文化祭は「高専祭」と呼ぶ。
 

産技高専に入学を決めた理由は何ですか。

高校生の年齢から専門的なことを学べることがかっこいいと思ったからです。また、校風がとても自由なので、ファッションなど自分の好きなことを楽しみながら、しっかり学べる環境がとても魅力的でした。
 

入学したら何をしたいと思っていましたか。

入学前はどの専門を学びたいか具体的には決まっていませんでしたが、総合工場の機械を使った実習の授業がとても楽しみでした。入学後に金属加工などの実習でたくさんの機械を触ることができ、想像以上に楽しかったことを覚えています。
また、産技高専を知るきっかけとなった産技祭の実行委員にも挑戦したいと思っていました。入学後は産技祭実行委員だけでなく、学生会委員、体育祭実行委員、広報委員などたくさんの委員を経験しました。
 

入学前に思い描いていた産技高専像とギャップはありましたか。

受検直前に産技高専を第1志望に決めたので、学校説明会や体験入学※2に参加できておらず、正直、産技高専での学校生活はあまりイメージできていませんでした。ただ漠然と難しい専門科目をたくさん勉強するんだろうな…と思っていました。3年生からは本格的に専門科目を学ぶので入学前に予想していたとおり、専門科目の課題やレポート作成で忙しい毎日でした。

※2 体験入学…毎年、中学生を対象にものづくりの楽しさを体験してもらう「夏のものづくり体験講座」を開催しています。(詳細はこちら)※令和2年度は新型コロナウイルス感染症の影響で実施なし
 

女性で高専に入学することに不安はありませんでしたか。

女子生徒が多い中学校だったので、高専へ入学して大勢の男子生徒と学校生活を送れるのか不安でした。難しい専門科目を学ぶので、一緒に勉強できる友達ができるかとても不安でした。
 
 

入学後、不安は解消されましたか。

性別に関係なく、友達ができるか不安なのはみんな一緒だったので安心しました。テスト期間はみんなで勉強したり、体育祭などの行事では男女関係なく一緒に盛り上がることができました。先生方も比較的男性が多いですが、女子学生への配慮が必要な場面では、しっかり対応してくれるので安心して学校生活を送れています。
 

中学生の頃はどんな学生でしたか。

英語の授業が好きで友人と一緒にシンデレラの英語劇をしたり、ボランティア委員会に所属して地域イベントの手伝いや地域のごみ拾いなどをしていました。平均的な成績ではありましたが、木材で小さい本棚を作ったり、金属でキーホルダーを作ったりする技術の授業がとても得意でした。小さい頃から粘土工作など手を動かしてものを作ることが好きでしたね。
 

高専では理系科目が中心ですが、中学生の頃、理系科目は得意でしたか。

数学は中学生の頃から本当に苦手で、産技高専に入学してからもとても苦労しました。1年生から3年生の担任が数学の先生だったので、分かるまで手厚くサポートしてくださり、高専ならではの難しい数学も先生のおかげで克服できました。
 

産技高専はどんな校風ですか。

学生と教員の距離が近く、質問や相談しやすい雰囲気なので楽しみながら学ぶことができます。また、とても自由な校風なので、染髪やピアスなどのおしゃれを楽しむこともできます。最近は5年生になり、少し余裕ができたのでアルバイトを頑張っています。勉強面ももちろんですが、プライベートでも積極的に新しいことに挑戦しやすい環境だと思います。
 

産技高専での生活を振り返って、一番嬉しかったこと、楽しかったことを教えてください。

産技祭実行委員会のステージ企画を担当する企画部を4年間続け、4年生では企画部の部署長を勤めました。学生主体の産技祭を取りまとめる部署長の仕事は、各担当の進捗管理から各所との調整など多岐にわたります。本当に忙しく大変でしたが、楽しんでくれているお客さんや在校生の姿、実行委員のみんなが一生懸命ステージ企画の呼び込みをしてくれている姿を見た時や、「ありがとう」と言ってもらえた時が一番嬉しかった瞬間でした。4年間実行委員を頑張ってきてよかったなと思いました。
一番楽しかったことは、2年生で参加したIEP※3と3年生で参加したGCP※4です。現地で知り合ったホストファミリーやニー・アン・ポリテック※5の学生たちととても貴重な時間を過ごすことができました。英語は好きですが、話すのはあまり得意ではなかったので、シャイな態度を出さずに片言でも話しかけるよう意識したり、韓国語を話せるので現地の韓国人の方に通訳してもらったりと自分から積極的にコミュニケーションをとるようにしました。当時知り合ったニーアンポリテックの学生とは現在も繋がっていて、GCPに参加した翌年に旅行でシンガポールを訪れた際にはおすすめスポットを教えてもらったり、現地で再会して案内してもらったりしました。

※3 IEP(インターナショナル・エデュケーション・プログラム)…将来、国際的に活躍するエンジニアの育成を目的とし、海外でホームステイ・語学研修・先端企業訪問等を行うプログラム。(詳細はこちら

※4 GCP(グローバル・コミュニケーション・プログラム)…東京都公立大学法人の2大学1高専(東京都立大学・産業技術大学院大学・産技高専)の学生がチームを組み、海外の同年代学生や国内外の企業等の協力を得て、グローバルビジネスに関する課題に取り組むプログラム。(詳細はこちら

※5 ニー・アン・ポリテック…学生交流協定を締結しているシンガポールにある協定校


令和2年度学生インタビュー 関さん
 

産技高専での生活を振り返って、一番つらかったこと、悔しかったことを教えてください。

専門科目が難しく、なかなか自分の思うように理解できなかったことです。理系科目がもともと得意ではないので、難しい専門科目は授業だけでは完璧に理解することが出来ず、とても悔しかったです。学年が上がるにつれ、様々な専門科目に関連性が出てくるので、一つ分からなくなるとさらに分からないことが出てきてしまいます。専門科目が得意な友人や先生に質問して一つ一つ地道に潰していき、テストや課題を乗り越えました。
 

2年次のコース選択は難しかったですか。また、機械システム工学コースに決めた理由は何ですか。

1年生の夏頃までは母から電子情報工学コースを勧められていたこともあり、機械システム工学コースとどちらを選択するか迷っていました。1年生の時にたくさんの専門実習を受けて、データ上でものづくりをする情報系よりも、ものづくりの過程・成果が目に見えて分かる機械系の方が自分に向いていると感じ、母の反対を押し切って機械システム工学コースに進みました。初めは金属加工の時に出る火花やものすごい速さで動く旋盤に慣れず、怖さを感じることもありましたが、実習を重ねるうちに克服し楽しめるようになりました。
 

機械システム工学コースはどのような特徴があると思いますか。

機械システム工学コースの先生方は、全体的にとても親身に学生ひとりひとりを手厚くフォローしてくださる印象です。コースの雰囲気も活気があって明るい学生が多いイメージですね。
 

機械システム工学コースに所属してよかったこと、悪かったことについて教えてください。

機械システム工学コースはメリハリがはっきりしているコースで、勉強ももちろん頑張りますが、学校行事も積極的に取り組みます。体育祭のコース対抗綱引きや騎馬戦はみんな本気で戦います!!悪かったことは、2年生~4年生は手書きで製図、5年生で初めてCAD使うので、手書きの製図に慣れていてCAD※6を使いこなすまでがとても大変でした。

※6 CAD…コンピュータを用いて設計をすること、あるいはコンピュータによる設計支援ツールのことをCADという。
 

面白い授業やおすすめの授業などを教えてください。

面白い授業は「機械システム実験実習」です。レポート作成は大変ですが、座学の授業で学んだ知識を実際に手を動かして実践し、理解を深められるのでとても面白いです。おすすめの授業は、5年生で選択した「創造機械設計」です。前期に自分でつくりたいものを設計し、後期で実際に設計したものを製作します。学んだ知識を自分の力で形にできるので達成感を感じることができます。
 

先生の指導は丁寧だと思いますか。

とても丁寧です。授業で分からなかったところは質問に行けば分かるまで徹底的に教えてくださいます。また、勉強以外でも進路や資格の取得などについても親身に相談に乗ってくださいます。時には人生相談に乗っていただくこともあります(笑)。
 

現在、どのような研究をしていますか。

日本では、阪神淡路大震災を機に免震技術が発展してきています。現在多くの建物に用いられているのはエネルギーを必要としないパッシブ免震構造というものです。しかし、その技術では近年発生が懸念されている長周期地震動には対応できないと考えられています。この問題を解決するため、私の卒業研究では、どんな地震にも対応できるエネルギーを必要とするアクティブ免震構造を検討していきます。
 

卒業後はどんなことに挑戦したいですか。

将来の就きたい仕事や夢を見つけるために新たな専門分野を勉強して視野を広げたいと思っています。また、英語力も強化していきたいので語学試験の勉強に力を入れ、留学にも挑戦したいと考えています。
 

産技高専生活で思い入れのある場所やグッズはありますか。

令和2年度学生インタビュー 関さん

 

GCPに参加した際に仲良くなったニーアンポリテックの友人が送ってくれたニーアンベアのぬいぐるみです。産技高専に入学し、GCPに参加したから繋がった縁の証なので、とても思い入れがあります。産技高専での思い出が詰まったぬいぐるみです。


 

 

後輩や高専を志望する生徒へメッセージをお願いします。

産技高専では、5年間と在籍期間も長く、自由な校風・充実した研究環境・手厚い先生方のサポートが揃っているので、自分のやりたいことに何でも挑戦できます。国際交流プログラムなども忘れられない貴重な経験ができます。また、女子学生のための支援講座などもあり"女子だから"と不安に感じる心配もありません。ゆっくりでいいのでまずは5年間こんな風に過ごしたいというビジョンを考えてみてください。ビジョンや目標があれば、産技高専での学校生活は充実したものになると思います。頑張ってください!!

令和2年度学生インタビュー 関さん
 

あなたにとって産技高専とは…。

「出発点と通過点」

専門知識や国際化への興味を持たせてくれた出発点であり、自分の将来のために多くの挑戦させてくれた通過点です。
 

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